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瀬戸内しまなみ海道・西瀬戸自動車道は本州四国連絡橋のひとつ
本州と四国をつなぐ本州四国連絡橋のルートは三つ。明石海峡大橋と大鳴門橋の二つの吊橋が架かる「神戸・鳴門ルート」、岡山県と香川県を瀬戸大橋で渡る「児島・坂出ルート」、そして一番西側に位置する「尾道・今治ルート」です。
尾道・今治ルートの西瀬戸自動車道は、広島県の西瀬戸尾道ICで国道2号(尾道福山自動車道)から分岐、島々を9橋で結んで、愛媛県の今治ICで国道196号に連結する高速道路です。ちなみに、生口島道路(生口島北IC~生口島南IC)と大島道路(大島北IC~大島南IC)は、国土交通省が整備した無料道路です。
瀬戸内しまなみ海道の歴史
本州と四国間の交通を円滑にし、国土の均衡と国民経済の発展に資することを目的として、1975(昭和50)年から建設が進められた尾道・今治ルート。
まず初めに大三島橋が完成(1979年)。その後も順次進められ、1999(平成11)年5月には全部の橋が架かり、西瀬戸自動車道が開通。広島県と愛媛県が陸続きになりました。
2006(平成18)年4月には、生口島・大島道路も開通。全線が自動車専用道路でつながることとなりました。これにより、交通や輸送条件の改善、産業や文化の交流促進、島しょ部の医療問題や利便性などが改善されています。
緑色は広島県、黄緑色は愛媛県を表します。赤色の道路が、西瀬戸自動車道。来島海峡大橋を3橋と数えて9橋とします。
瀬戸内しまなみ海道の各橋の特徴
島々の間に架けられた橋は、地形や地質などの自然条件や、船舶航行などの社会的条件を最大限に考慮。その時々の最新技術を用いて造られた完成当時、日本一や世界一を記録したものも多くあります。
本州四国連絡橋の最初の吊橋として、1983(昭和58)年に完成した因島(いんのしま)大橋。中央支間長770mは日本最長でした。生口橋は中央径間に軽い鋼桁(こうけた)を使用する、複合桁構造を日本で初めて採用。景観と合わせた美しさを追究し、広島県と愛媛県の県境に架かる多々羅(たたら)大橋は、中央支間長890mで完成時・世界最長の斜張橋でした。大三島(おおみしま)橋のようなアーチ型は、本四連絡橋の中でここだけです。来島(くるしま)海峡大橋が架かる来島海峡は、多島美が広がる景勝地であり、急潮流のため海の難所として有名。自然環境の保全、航行安全、車両の走行性などを考えて、世界初の三連吊橋が採用されました。
県境に位置する多々羅大橋
来島海峡大橋
しまなみ海道の最大の特徴は原付道と自転車歩行者道を併設
瀬戸内しまなみ海道の大きな特徴として挙げられるのが、125cc以下の原動機付自転車が利用できる原付道と、自転車・歩行者専用の自転車歩行者道が各橋に設置されていること。日本で初めて海峡を横断できるサイクリングロードとして国内外より認知されています。ただし、尾道市街と向島とをつなぐ新尾道大橋には自転車歩行者道が併設されていないため、渡船がおすすめとされています。
2022年3月31日まで瀬戸内しまなみ海道の自転車での通行料は無料。美しい島々の景観と橋の上から見る瀬戸内海、潮風を感じながらのサイクリングは、ここでしか体験できない魅力の一つです。
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冷泉数はトップクラス!?知られざる広島と温泉の関係
宮島の紅葉谷は人工的に造られたものだった!
断崖絶壁に建立された千光寺と尾道の町並みの秘密 ほか
Part.2:広島を駆ける充実の交通網
歴史に翻弄された路線 幻の「国鉄宇品線」に迫る
JR天神川駅の駅名になっている天神川ってどこにあるの?
廃線となった可部線の復活劇!全国初のその経緯とは? ほか
Part.3:広島で動いた歴史の瞬間
神武天皇も広島に来た?神武東征ゆかりの地を巡る
海上交通網を制するためあえて三角州に広島城を築城
4年間で県名が5回も変更 譜代大名ゆえの苦悩とは? ほか
Part.4:広島で生まれた産業や文化
レモンは瀬戸内海がお好き?広島県のレモン栽培
平清盛が崇敬した嚴島神社の魅力を探る
広島に「○○ちゃん」というお好み焼き店が多いわけ ほか
<コラム>
データで分かる全23市町 人口、観光、農業・漁業
絵図と写真で見る広島の鉄道
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