また軌道敷内の自動車通行が路面電車の定刻運行を妨げているとして、広島電鉄は広島県警に「軌道敷内への自動車乗り入れ禁止」を要望しました。

時代はアメリカを主流とした自動車社会に傾きつつありましたが、広島県警は自動車と路面電車が共存する西ドイツを視察。交通渋滞緩和と自動車の排気ガスによる公害を解消するためには、マイカー規制と路面電車の優先通行が必要だと認識し、1971（昭和46）年に「路面電車の軌道敷内への自動車乗り入れ禁止」を再度決断しました。電車優先信号の設置や右折車の軌道敷内停車禁止など、路面電車に対する政策的な支援を講じます。これが、今日まで広島の路面電車が走り続ける決定打となりました。

苦難の時代を乗り越えた路面電車は、広島を象徴する交通網・市民の足としてすっかり定着しました。

現在広島市が進める、広島駅南口広場の再整備計画の一環として、広島電鉄は線路を一部高架にし、JR広島駅と路面電車を直結させる、広島電鉄駅前大橋ルートを整備中。また市民や観光客などの利便性と回遊性を向上させるため、的場町～八丁堀～紙屋町～市所前～皆実町六丁目～段原一丁目を結ぶ、循環ルートを新たに計画。いずれも2025年春の完成を目指しています。

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