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広島県の温泉の代表的な「湯来温泉」と「湯の山温泉」
広島県北西部には北東から南西方向に平行な断層がいくつか走っています。その中の湯の山断層線に沿った割れ目から湧き出しているのが、湯来温泉(源泉温度29.8度)と湯の山(ゆのやま)温泉(源泉温度23.6度)です。
非火山性温泉は地下水型以外に、化石海水型とその他の非火山性温泉に分類されるのですが、湯来温泉は深層地下水型、湯の山温泉はその他の非火山性温泉とされています。
広島県は冷泉の数が日本トップクラス!
温泉と呼ばれるものの定義は「温泉法」によって定められていますが、実は温かくない水を温泉と呼ぶこともあります。その他の非火山性温泉に属し、温泉法に定められた成分を基準以上含む泉温25度未満の地中からの湧出水のことで、湯の山温泉もこれにあたります。
戦後にボーリング技術が進歩したことも加え、広島県は火山性温泉こそないものの、25度未満の源泉数(俗称・冷泉)が日本でもトップクラスという事実は意外と知られていません。
温泉の定義
1948(昭和23)年に定められた「温泉法」という法律に基づいています。
地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、温泉源から採取されるときの温度が摂氏25度以上、または定められた物質の一つ以上が、基準含有量以上を有するもの、とされています。
広島県の温泉に多くあるラジウム泉とラドン泉
広島県の温泉の多くは、ラジウム泉(放射能泉)と呼ばれるものです。ラジウム泉には広島の地質に多く見られる花崗岩が関係しています。花崗岩は他の石に比べてウランが比較的多く含まれています。その花崗岩に含まれるウラン起源のラジウムが温泉の中に含まれているのです。
ラジウムの次に多いのがラドン泉と呼ばれるもので、ウラン起源のラドンが含まれており、基本的にはラジウム泉と同じ泉質を示しています。
広島県の代表的な温泉地
断層によってできる温泉は、古い断層が集中している県西部に比較的多くなっています。自噴ではなく、掘削により掘り当てられたものも少なくありません。泉温は低めで、そのほとんどは温められて使用されていますが、源泉の冷水をそのまま利用した打たせ湯や水風呂などもあります。
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【見どころー目次より抜粋】
Part.1:地図で読み解く広島の大地
冷泉数はトップクラス!?知られざる広島と温泉の関係
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Part.2:広島を駆ける充実の交通網
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Part.3:広島で動いた歴史の瞬間
神武天皇も広島に来た?神武東征ゆかりの地を巡る
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Part.4:広島で生まれた産業や文化
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<コラム>
データで分かる全23市町 人口、観光、農業・漁業
絵図と写真で見る広島の鉄道
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