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中国山地の成り立ち
断層によりできた高さの違う3段の地形「中国脊梁山地」「高原地帯」「低地帯」が北から南へ並んでいる広島県。中でも中国山地は全国的に見ても珍しい特徴を持つ地形とされています。その中国山地はどのようにでき、どんな特徴があるのでしょうか。
中国山地は海底が隆起してできた
中国山地はおよそ1億5000万年前以降、長期にわたって陸化していましたが、1500万年前ごろになると広範囲にわたって海になったと考えられています。
それを裏付ける証拠として、広島県北部の三次市や庄原市などから海底の地層が発見され、標高500m辺りの高い地点でも、カキやクジラの歯などの海の生き物の化石が多数見つかりました。そのため1500万年前ごろに一度海底になり、その後600m以上隆起して現在の高さになったと考えられています。
中国山地はグランドキャニオンと同じ構造?
傾斜量図を見てみると、中国地方には高い山々がほぼなく、中国山地の山頂部分は比較的なだらかであることが分かります。
隆起してできた山は風化によって削られていきますが、水面以下にまでは削られないため、最後は必ず平野になります。平野になった後にまた何らかの要因でその場所が隆起すると、上が平らな台地ができ上がります。こうしてできた地形を隆起準平原(りゅうきじゅんへいげん)と呼びます。
隆起準平原は日本では中国地方だけでなく東北地方でも一部見られますが、中国山地が最も典型的な様相を示しています。この地形の代表的な場所が、アメリカの「グランドキャニオン」で、平らな台地を川による深い谷がえぐっています。中国山地はグランドキャニオンほどの深い谷はありませんが、構造的には同じものです。
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