トップ > カルチャー >  関西 > 京都府 >

石清水八幡宮の興り

この山に石清水八幡宮が建てられたのは平安時代に入ってからです。『石清水八幡宮護国寺略記』によると、神社の興りは僧侶行教が豊後国(ぶんごこく)(大分県)の宇佐神宮で受けた八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)の神託であるとしています。国家守護のため都に神を移せという菩薩の意思に従い、行教は朝廷に願い出ました

宇佐神宮側の意図があったという説

承諾した清和天皇は860年、宇佐神宮より男山へと御神体を移し、石清水八幡宮を建立しました。一説には、都への進出を図った宇佐神宮側の働きかけがあったとされています。

元々存在していた寺院が由来となった説

また、男山にあった石清水寺という寺院が、神宮の社名の由来だという説もあります。そこに創建された石清水八幡宮は王城を守護する神社として、朝廷から庇護(ひご)されました。

石清水八幡宮の栄枯盛衰

979年より天皇の行幸もたびたび行われ、明治天皇も1868年の大阪行幸の際に1泊しています。朝廷との深いつながりは、伊勢神宮に次ぐ「第二の宗廟」と呼ばれるほどでした。

平安時代を通じて国家鎮護の社であり続けた石清水八幡宮は、源氏の氏神、また戦勝の神としてもあがめられていきます。鎌倉幕府の滅亡後も、源氏の系統を主張する足利家や徳川家など歴代の武家政権に保護されました。

明治時代に入ると廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で多数の仏具・経典が破壊され、社名も「男山八幡宮」に改名されました。名称が戻されたのは1918年のことです。

石清水八幡宮の現在

現在の境内には本殿をはじめ、地主神を祀る狩尾社(とがのおしゃ)や若宮殿社(わかみやでんしゃ)、住吉社、石清水社などの摂社や末社が多数置かれています。本殿や五輪塔など重要文化財も数多くあります。厄除けのパワースポットとしても知られ、裏鬼門封じの山を訪れる参拝客は今も後を絶ちません。

石清水八幡宮

住所
京都府八幡市八幡高坊30
交通
京阪本線石清水八幡宮駅から京阪石清水八幡宮参道ケーブルで3分、ケーブル八幡宮山上駅下車、徒歩5分
料金
無料

京都競馬場のある「淀」とは?

淀駅に隣接する京都競馬場(現在改修中)は、通称「淀競馬場」といいます。「淀」という地名は桂川、宇治川、木津川の合流地点にある与渡津(よどつ)(港)に近く、川の水が「淀む」ことに由来するとされています。

戦国時代にはこの地に城があり、豊臣秀吉の側室・ 茶々が入って以後淀殿と呼ばれました。1595年に廃城となりますが、江戸時代には大坂街道の宿場町として淀宿が設けられ、1623年には淀藩が成立して新しい淀城が築かれています。

『京都のトリセツ』好評発売中!

日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。京都の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く京都の大地

・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)

…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 京都を駆ける充実の交通網

・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道

…などなど京都ならではの交通事情を網羅。

Part.3 京都の歴史を深読み!

・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた

…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 京都で育まれた産業や文化

・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮

…などなど京都の発展の歩みをたどる。

『京都のトリセツ』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!