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嵯峨野トロッコ列車を運営する嵯峨野観光鉄道の歴史

嵯峨野観光鉄道は、JR西日本が現在の嵯峨野線の経路変更および複線化する際に廃止された区間を復活させたものです。

そのJRも国鉄時代に以前からあった線路を買い上げて列車を走らせていました。つまり、歴史はかなり古いのです。

嵯峨野トロッコ列車路線と沿線の地形

嵯峨野トロッコ列車路線と沿線の地形
国土地理院標準地図を元に作成

嵯峨野観光鉄道は1990年に設立されました。JR山陰線の複線化によって廃線となっていたため、線路は荒れ果てていましたが、社長以下9名のスタッフによる懸命な整備によってみごと復活

翌年4月に第1号列車の運行にこぎつけました。初年度に69万人という乗客を集め、一躍人気路線として注目されました。

保津峡に最初に線路を敷設した京都鉄道の苦労

保津峡に最初に線路を敷設したのは、桑田郡亀山北町(現在の亀岡市)出身の実業家・田中源太郎が設立した京都鉄道。1893年に、舞鶴と京都を結ぶ路線を開通させるべく発足した鉄道会社でした。

京都鉄道の工事は、現在の京都駅にあたる京都停車場からスタートしました。嵯峨までの 約10㎞は順調に進みましたが、保津峡区間は超がつくほどの難工事となります。

激流沿いの峡谷への資材搬入は困難をきわめ、さらに景観保全のために府から厳しい規制があったからです。さらに侠客に工事を妨害され、京都鉄道は頭を悩ませたといいます。

嵯峨野トロッコ列車の路線にトンネルと橋が多いわけ

トンネルや橋は1899年に完成。この区間にトンネルと橋が多いのは勾配への工夫で、川をまたいで橋脚を設置するために、当時の標準規格を大きく超えるスパンを採用するなど、思い切った手法が取られています。

そんな困難な工事においても景観への配慮を忘れなかったことで、長く観光列車として活用されたのです。

嵯峨野トロッコ列車の見どころ

トンネルは直径15フィート(約4.6m)の馬蹄型に統一され、側壁にはすべてレンガが用いられています

レンガは、長手と小口を交互にして積むフランス積みです。見た目は美しいですが、この工法は長手だけの段、小口だけの段と1段ずつ向きを変えるイギリス積みに比べて手間がかかるため、20世紀以降はあまり見られません。

保津川橋梁に隣接した清滝トンネルは西洋の城郭を思わせるデザインで、元首相・近衛文麿(このえふみまろ)の父である近衛篤麿(あつまろ)の揮毫(きごう)の額がはめ込まれています。

現在見られるトンネルや橋梁のほとんどが当時のまま。嵯峨野トロッコ列車に乗ったら、景色とともにその歴史に想いをはせるのもいいでしょう。

トロッコ亀岡駅から出ている京馬車

トロッコ亀岡駅前に、馬車乗り場があります。ここから保津川に沿ってJR亀岡駅近くの「保津川下り乗船場」を目指す、または周辺を周遊する「京馬車」が出ています。

乗船場を目指すコースは、川下りの舟の出発時間に間に合うよう運行されており、山間に広がるのどかな景色をパカパカと馬の背に揺られながら、ゆっくり楽しめます(1、2月は冬季運休)。

嵯峨野トロッコ列車

住所
京都府京都市右京区嵯峨天竜寺車道町
交通
JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅からすぐ
料金
チケット(片道)=大人630円、小学生320円/(一種の障がい者本人と同伴者1名半額、二種は本人のみ半額)

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・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)

…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 京都を駆ける充実の交通網

・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道

…などなど京都ならではの交通事情を網羅。

Part.3 京都の歴史を深読み!

・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた

…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 京都で育まれた産業や文化

・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮

…などなど京都の発展の歩みをたどる。

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