トップ > カルチャー >  関西 > 京都府 >

嵐電の日本一狭いホーム

そしてこの区間には、おもしろい特徴があります。

西大路三条駅付近では、自動車の道路が片側2車線、線路が1車線分。三条通の西端にあたる山ノ内駅付近では、道幅がかなり狭くなり、片側に自動車・電車の車線がギリギリ1車線ずつ存在します。しかし、駅があるわけですから、ホームが必要です。

2駅のホームは、道路が盛り上がった部分にある幅1mにも満たない縁石で、その上に立って電車を待つのです。山ノ内駅の幅は約60㎝で、日本一幅の狭い駅ともいわれています。

この「ホーム」が混み合うことはあまりないとはいえ、背後には自動車が結構なスピードで走っていて、スリリングです。

嵐電の警笛は春と秋の風物詩

観光シーズンになると、京都市内の交通量は激増します。嵐電沿線も然りです。

そんななか、 渋滞を横目にスイスイ走る嵐電に乗ると、ちょっとした優越感を感じられます。ただし、乗り降りするときは十分気をつけなければなりません。

ちなみに、この路面区間において、自動車が電車の路線に入ろうものなら、電車にものすごい音の警笛を鳴らされます。この警笛も、春と秋の風物詩のようでもあります。

帷子ノ辻に伝わる檀林皇后の伝説

嵐電の嵐山本線と北野線が連絡する帷子ノ辻(かたびらのつじ)駅の近くに、帷子ノ辻交差点があります。

名前の由来は、この場所の近くに、嵯峨天皇の皇后であった檀林皇后(だんりんこうごう:橘嘉智子(たちばなのかちこ))の経帷子(きょうかたびら)、つまり死装束が落ちていたからといいます。

帷子が落ちていた理由は、葬儀の際に棺にかけられた帷子が風で飛ばされたという説と、檀林皇后が「遺体を埋葬せずにどこかの辻に打ち捨てるように」と遺言し、そのとおり遺体が放置され朽ち果てた結果、帷子が残ったという説の2種類があります。

なお、帷子の辻は、立命館大学出身のロックバンドくるりの「花の水鉄砲」という曲に登場します。

『京都のトリセツ』好評発売中!

日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。京都の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く京都の大地

・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)

…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 京都を駆ける充実の交通網

・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道

…などなど京都ならではの交通事情を網羅。

Part.3 京都の歴史を深読み!

・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた

…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 京都で育まれた産業や文化

・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮

…などなど京都の発展の歩みをたどる。

『京都のトリセツ』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  関西 > 京都府 >

この記事に関連するタグ