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東山文化が生まれた秘密は地形にあり

東山は谷と山稜が複雑に絡みあい、山と平野部の間にはなだらかな山辺が広がっています。山稜部は平野と平行する形になっているので、麓の人々は東山の雄大な景観を眺めることができるのです。

とくに知られるのは、清水寺の一帯です。清水寺の参道は山稜部の上にあります。なかでも二寧坂(にねいさか)・産寧坂(さんねいさか)と、その周辺は山々の頂上から麓にかけて、そして鳥辺野までの地形の全容が見渡せます。

東山は雄大な景観により山岳信仰の拠り所に

また、清水寺のある場所は、周辺の山々と密接に絡み合っています。南方の延命院や本坊の成就院から、祇園、知恩院にいたるまでが、ひとまとまりとなって雄大な一大パノラマを形成しています。この大きな連続性こそが、ほかにはない東山の最大の特徴です。

こうした地形がもたらす景観により東山は神聖な場所として認知され、山岳信仰の拠り所として、有名な寺社が多数建立されていきました。

東山文化が栄えた一帯の現在の様子

現在の東山では若者や外国人観光客向けの開発が進み、レストランや宿泊施設の新規オープンも増えています。

また東山一帯を走り抜ける「東山三十六峰トレイルラン」というマラソン大会も行われています。山越えをしながら30㎞を走り抜けるコースは素人には少々厳しいですが、眺める景色は格別で、多くの参加者が集う人気の大会です。

大文字山の「大」が「水」になっていたかも!?

京都一の夜景スポット「将軍塚」は、東山三十六峰のひとつ華頂山にあります。1885年6月、琵琶湖疏水の起工式が八坂神社を中心とする東山一帯で開かれました。スケールの大きな建設工事だけあって相当大がかりな祝祭イベントでした。

イベントの目玉として、将軍塚に五山送り火を模した「水」の文字が浮かび上がったといいます。じつはこのとき、五山送り火が行われる大文字山(東山三十六峰のひとつ・如意ヶ嶽の支峰)の「大」の字に縦に1本線を入れて「水」にすることも検討されたようです。

大文字山の「大」が「水」になっていたかも!?

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Part.1 地図で読み解く京都の大地

・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)

…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 京都を駆ける充実の交通網

・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道

…などなど京都ならではの交通事情を網羅。

Part.3 京都の歴史を深読み!

・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた

…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 京都で育まれた産業や文化

・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮

…などなど京都の発展の歩みをたどる。

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