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八女の玉露が薫り高く味わい深い理由~3つの伝統技法~
八女の玉露は、「八女伝統本玉露」として地理的条件と地域固有の生産が結びついたことで、国の地理的表示保護制度(JAPAN GEOGRAPHICAL INDICATION略称「GI」)に日本茶で最初に登録されました。その生産条件は、1.茶樹の枝を収穫後に1回だけ剪定し、秋まで自然に芽を伸ばす「自然仕立て」、2.茶樹を16日以上、稲わら等の天然資材で覆う「棚被覆(たなひふく)」、3.丁寧に新芽を摘む「手摘み」の3つの伝統技法です。全国茶品評会玉露の部に出品される玉露はこの3条件を備えたものとなります。
玉露で名高い八女茶の発祥はどこ?
八女茶の発祥は、中国の明から帰国した栄林周瑞禅師が松尾太郎五郎久家に、栽培・喫茶法を伝えた応永30(1423)年とされます。また「八女」の地名は、養老4(720)年に完成した日本最古の歴史書、日本書紀の巻七の第12代景行天皇の九州行幸に由来するといわれています。八女市矢部村には、養老3(719)年創建とされる八女津媛神社とその記念館があり、パワ-スポットとして人気上昇中です。
八女の玉露を体感できるおすすめスポット
八女市星野村には八女の「お茶」に関する資料などを展示している茶の文化館があり、最高峰八女伝統本玉露を「しずく茶」としていただくことができます。
道筋には、令和元年度に「全国茶品評会」の玉露の部において、1位・2位独占となった山口勇製茶の直売店があり、穏やかな語り口の主人とのお茶談義もまた一興です。山口家はこれまで約50年もの間、毎年、全国茶品評会玉露の部に挑戦し、初の全国制覇を成し遂げた由緒ある製茶農家です。最新の玉露づくりでは、後継者とともに県農林業総合試験場八女分場と協働して、IOT(遮光率、温度、湿度センサ-とカメラによる栽培技術の数値化)を活用し、茶園の被覆の開始時期や被覆の程度、摘採時期を研究しています。
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