更新日: 2024年1月22日
福岡銘菓のいろは~名菓ひよ子にチロルチョコ、あのイベントも福岡生まれ!~
シュガーロード沿いから広まった菓子作りの文化。筑豊地区には南蛮菓子と融合した銘菓がいくつもあること知っていますか?
福岡に銘菓あり! シュガーロードから広まった菓子作りの文化
江戸時代、全国で唯一外国との貿易が許されていた長崎県。そこから輸入された品々を江戸へ届けるために利用されたのが長崎街道で、当時貴重とされた砂糖が運ばれたことから今ではシュガーロードと呼ばれています。街道沿いの宿場町は菓子作りの技法を入手しやすく、砂糖をふんだんに使う南蛮文化と、これまでの和菓子の製法を織り交ぜた新しい菓子が誕生していきました。
飯塚は、明治初期から炭鉱で栄えた町で、甘い菓子は坑夫たちのエネルギー源にもなっていました。飯塚をはじめとした筑豊地方は、昔から菓子作りの文化が育まれてきたため、福岡を代表する銘菓が多いといわれています。
福岡銘菓①:名菓ひよ子
明治30(1897)年創業、ひよ子本舗𠮷野堂の二代目店主石坂茂は、「愛される饅頭を作りたい」と考えていました。ある夜、夢の中にひよこが現れその愛らしさこそ求めていた形だと感じ、当時丸や四角しかなかった菓子の世界で、立体的で可愛らしいひよこの形をした菓子を作り上げたのです。名菓ひよ子は愛嬌のある形やネーミングから、手土産にも喜ばれ瞬く間に全国へと広がっていきました。
福岡銘菓②:千鳥饅頭
千鳥饅頭で知られる千鳥屋は、寛永7(1630)年に原田家が「松月堂」の屋号で佐賀に作った菓子店で、昭和2(1927)年、筑豊炭田で景気が良かった飯塚へ進出する際、「千鳥屋」という屋号に改め開店しました。カステラやマルボーロを作っていた松月堂は、その生地で餡を包むことを考案し千鳥饅頭を生み出します。飯塚で販売開始された千鳥饅頭もまた、褒美として坑夫らに振る舞われ知名度を上げていきました。
福岡銘菓③:なんばん往来
南蛮船をイメージして作られたなんばん往来は、飯塚市で創業したさかえ屋の看板商品です。さかえ屋は市内の栄橋近くでスタートした菓子店で、今では県内各所に店舗を持ち、福岡みやげには欠かせない存在となっています。
福岡銘菓④:チロルチョコ
ひと口サイズのチョコレート…と聞いて、チロルチョコを思い浮かべる人は少なくないはず。全国のコンビニやスーパーなど、どこにでもあるこのチロルチョコも田川市生まれです。
明治36(1903)年に創業した松尾製菓の二代目、松尾喜宣(よしのり)によって作られたチョコレート菓子で、オーストリアの雄大な自然のチロル地方から名付けられた(現在は分社化し、チロルチョコ株式会社になっている)。チロルチョコは「貧しい子どもたちにもお菓子を食べさせたい」という思いから、先に売価を10円と決め、形状や原料はあとから調整して作られました。現在までに400種を超えるバリエーションがあり、田川市の工場に併設されたアウトレットショップには開店から行列ができることもしばしば。
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