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よかトピアの実績と閉幕後の施設

博覧会には、37の国と地域、2つの国際機関が参加、43のパビリオンが建ち並び、171日間で約823万人の入場者を記録しました。博覧会閉幕後に残った施設は、マリゾン福岡タワー福岡市博物館(博覧会時はテーマ館で、平成2(1990)年10月に博物館として開館)、西部ガスミュージアム(平成15(2003)年3月に閉館し解体)の4つのみです。

よかとぴあでは建設予定がなかった福岡タワー

ところで、意外に知られていないのが、昭和62(1987)年3月の会場基本計画には、シンボルタワーである福岡タワーはありません。福岡タワーの建設は、当時の福岡市長(昭和61(1986)年12月就任)の回想によると、姉妹都市であるフランス・ボルドー市を訪問した際、博覧会の話題になり、1889年のパリ万国博覧会で建築されたエッフェル塔がパリのモニュメントタワーになった…というボルドー市長の発言から、タワーの建設を思い立ったのだといいます。
工期の面からも、福岡空港から近いという立地(高さ制限)の面からも、高さ234mのタワーを博覧会場の中央に建設するのはなかなかに難しいものだったらしいですが、それから30年、福岡タワーと博覧会の駐車場跡地に完成したドーム球場、大型リゾートホテルは福岡市を象徴する風景となっています。

よかトピア通りはサザエさん発案の地

福岡市博物館の南側を東西に延びる道路は、通称「よかトピア通り」。実はこの道路のあたりが埋め立て前の海岸線で、大正7(1918)年に開設された百道海水浴場は昭和40年代(水質の悪化が問題になる)まで市民に親しまれた夏の行楽地でした。よかトピア通り沿いには「百道海水浴場跡」碑が建ち、海水浴場のにぎわいを伝える写真も添えられています。
また、この浜辺は漫画家の長谷川町子さんが「サザエさん」のアイデアを思いついたという場所でもあり、地元ではこのエピソードを町づくりに生かそうと、シーサイドももち海浜公園入口から最寄りの地下鉄駅近くの交差点までの1.6kmを、平成24(2012)年に「サザエさん通り」と命名しました。
サザエさん通りには、案内板やサザエさんの登場人物などをかたどったモニュメントが点在し、よかトピア通り沿いにあるその名も「磯野広場」には、「サザエさん発案の地」の記念碑があります。

サザエさん通り沿いには、西南学院大学、修猷館高校、西新小学校などの学校や、福岡市博物館、福岡市総合図書館などの公共施設、TNC放送会館、福岡タワーなど観光施設などがあります。

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