更新日: 2024年1月22日
王寺町が鉄道の町になったのはなぜ?3度の変更の末、駅開業が転がり込んだ!?
奈良県初の鉄道路線は、競合他社との調整や建設場所の見直しでルートを変更し、奈良県西部の王寺村に駅を定めました。
長閑な農村は県内有数のターミナル駅の町に発展しました。
王寺町は奈良県初の鉄道駅ができた場所
明治23(1890)年、奈良県で初めての鉄道が王寺駅~奈良駅に開通し、葛下(かつげ)郡王寺村久度(くど)に王寺停車場が開業しました。
大阪鉄道と関西鉄道の思惑を鉄道局が調整
鉄道開通前の久度は大和川左岸に接する村で、広大な田地のなかに小さな集落があり、そのはずれに神社がある典型的な農村でした。
明治20(1887)年1月、奈良県再設置に尽力した県会議員のひとり、恒岡直史(つねおかなおふみ)らは大阪市南部と奈良をつなぐ大阪鉄道を敷設しようと鉄道局に設立願書を提出しました。まず、大阪南区御蔵跡(おくらと)町から大和高市郡今井町(現在の橿原(かしはら)市)に至る路線で建設に着手し、将来は伊賀から四日市まで、また五条から和歌山・奈良まで路線を延ばす計画でした。
同じ頃、関西鉄道が大津~四日市の建設を計画していました。鉄道局は両者の競合を調整し、翌年3月、大阪鉄道を大阪~桜井、北今市~奈良に限定した区間を認可しました。
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