更新日: 2024年1月22日
石上神宮に本殿が誕生した理由は?~日本最古の神宮のひとつ
石上神宮の信仰の対象は、もともと神社拝殿の奥に御神体を埋めた禁足地でした。
本殿は明治期に行われた禁足地調査で出土した神剣を祭るために建立しました。
石上神宮は伊勢神宮と並ぶ日本最古級の神宮
石上神宮(いそのかみじんぐう)(天理市)は日本最古級の神宮で、『古事記』で唯一伊勢神宮と並び記されています。「神宮」とはおもに祭神が天皇、または皇室とつながりが深い神社を指し、奈良期には伊勢神宮と石上神宮の2社だけがその尊称を認められました。神剣「韴霊(ふつのみたま)」に宿る布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)を主祭神とし、崇神天皇の命により、現在地に祭ったのが始まりとされます。
石上神宮の神庫に保管された七支刀とは
もともと古代豪族、物部氏の総氏神として信仰され、境内にある神庫(ほくら)はヤマト王権の武器庫の役割を担ったとされます。神庫には国宝の七支刀(しちしとう)が御神体同様にみなされ保管されてきました。西暦369年製作とされ、刀身には百済から倭王に贈られたとの銘文が刻まれています。
石上神宮には明治初期まで本殿がなかった
拝殿は平安時代末期から鎌倉時代初期の創建と考えられますが、明治初期まで本殿はなく、拝殿後方に御神体である神剣を地中に埋め、小円丘状に盛り土をした霊域を拝していました。この霊域は古来厳しく立ち入りが禁止された「禁足地」で、石上布留高庭(いそのかみふるのたかにわ)、御本地、神籬(ひもろぎ)などとも称され特に畏敬されてきました。
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