更新日: 2022年4月22日
【関ケ原】武将たちの息遣いを感じる天下分け目の合戦の地!歴史ファンに人気のスポットが充実
歴史ブームの追い風に乗って、じわじわと人気を集めているのが岐阜県関ケ原町。
言わずと知れた、あの徳川家康の天下統一を決定づけた「関ケ原の戦い」の舞台となった町です。
決戦地をはじめ、東軍と西軍を代表する武将たちの陣跡など、歴史ファンにはたまらない史跡が町中に点在。
2020年には古戦場としての魅力を伝える新スポット「岐阜関ケ原古戦場記念館」がオープンし、全国から多くの観光客が訪れています。
豊かな自然に恵まれ、ドライブ旅にも最適な関ケ原町の魅力をたっぷりとお伝えしていきましょう!
目次
豊かな自然に恵まれた歴史観光のまち、関ケ原町
滋賀県との県境に位置する岐阜県関ケ原町。南北に山地が迫り、昔は中山道、北国街道、伊勢街道が交差し、現代では名神高速道路や東海道新幹線が通る交通の要衝となっています。また、町を境に東西で文化の違いや、食べ物の味付けの違いが見られるなど、日本の東西の結節点ともいえる場所でしょう。
町の歴史は古く、今から約1300年も前に古代の日本三関(さんげん)の一つ「不破関(ふわのせき)」が設けられ、町名の由来となったほか、この不破関を境に関東・関西の呼称が使われるようになったともいわれています。そして、1600年には、この地で「関ケ原の戦い」が行われました。
また、豊かな自然にも恵まれ、北部にそびえる伊吹山は関ケ原のシンボルともいえる霊峰です。天照大神(あまてらすおおみかみ)や日本武尊(やまとたけるのみこと)も登ったことが『古事記』や『日本書紀』に記され、古くから人々の信仰を集めていました。山頂の草原植物群落が国の天然記念物に指定されるなど、高山植物の宝庫となっています。
関ケ原町へのアクセス
電車の場合
東京から
東京駅→(東海道新幹線で約2時間)→名古屋駅→(東海道本線で約45分)→関ヶ原駅 大人11,860円
岐阜から
岐阜駅→(東海道本線で約30分)→関ヶ原駅 大人510円
大阪から
新大阪駅→(東海道新幹線で約40分)→米原駅→(東海道本線で約20分)→関ヶ原駅 大人5,370円
車の場合
東京から
東名高速道路「東京IC」→(約5時間)→名神高速道路「関ヶ原IC」 普通車8,750円
名古屋から
東名高速道路「名古屋IC」→(約50分)→名神高速道路「関ヶ原IC」 普通車2,180円
大阪から
名神高速道路「吹田IC」→(約1時間40分)→名神高速道路「関ヶ原IC」 普通車3,590円
「関ケ原の戦い」について知ろう
歴史の教科書でもおなじみの「関ケ原の戦い」は1600年9月15日、“天下分け目の戦い”として徳川家康率いる東軍と、石田三成らが率いる西軍が激突。合わせて15万人もの兵が戦いを繰り広げました。
戦いに至った経緯は、豊臣秀吉亡き後、豊臣家に代わって覇権を握ろうと考えた家康と、秀吉の遺志を継ごうとする三成が対立したことに始まりました。全国の武将を巻き込み、日本を二分する巨大な戦いに発展。ところが家康による事前の根回しなどにより、寝返る武将が現れて勝敗は一日で決し、東軍が勝利しました。
この勝利をきっかけに、家康は征夷大将軍となって江戸幕府を開きました。その後、大阪冬の陣・夏の陣で豊臣家を滅ぼして戦国時代を終わらせ、約260年にわたり明治に至るまで平和な世の中が築かれたのです。
関ケ原の町の中には、両軍の史跡が数多く残ります。家康、三成、東軍の福島正則、西軍の島左近、東軍に寝返った小早川秀秋ら各陣跡のほか、戦いに敗れ自害した西軍の大谷吉継の墓、開戦の烽火(のろし)が上げられた地や決戦地跡などが随所に。今でも町の至る所で武将たちの思いを肌で感じられる雰囲気に包まれているのです。
楽しみながら関ケ原の歴史に触れるスポット
歴史観光に力を入れる関ケ原には、楽しみながら歴史に触れ、学べるスポットがいっぱい!岐阜県と関ケ原町が協力して設置された「岐阜関ケ原古戦場記念館」のオープンで、ますます充実が図られています。
観光案内やレンタサイクルの拠点を兼ねるところもあり、気軽に観光ルートなどの相談をしてみるのもいいでしょう。
史跡の大部分が自転車で回れる範囲内にあるので、ぜひレンタサイクルを利用し、日本史の重要な舞台で活躍した武将たちに思いをはせてみてください!
関ケ原観光協会 事務局
TEL:0584-43-1600(9時〜17時 火曜定休/年末年始を除く)
公式HPはこちら
関ケ原駅前観光交流館(愛称:「いざ!関ケ原」)
JR関ヶ原駅前で観光客を迎える「関ケ原駅前観光交流館(愛称:いざ!関ケ原)」。観光情報の発信拠点として、また土産品などのアンテナショップとしても親しまれています。戦国武将の家紋入りのクッキーやせんべいといったお菓子をはじめ、オリジナルTシャツ、ペーパークラフトなど、多彩なジャンルの商品がズラリと並びます。
旅の拠点としてコインロッカーのほか、レンタサイクルも完備。電動アシスト付自転車も用意されていて遠出も大丈夫です。休憩スペースには「思い出ノート」が置かれているので、旅の締めくくりにぜひメッセージを書き残していきましょう!
住所:岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原598-4
交通:JR関ヶ原駅前
料金:コインロッカー=1日100円~/レンタサイクル=普通自転車660円~、電動アシスト付自転車1210円~/
岐阜関ケ原古戦場記念館
岐阜県と関ケ原町は古戦場を整備することで地域の活性化につなげようと、今後の方向性を定めた「関ケ原古戦場グランドデザイン」を2015年に策定。それに基づく拠点施設として、2020年にオープンしたのが「岐阜関ケ原古戦場記念館」です。
関ケ原の戦いという歴史の1ページを肌で感じられる、最新技術を結集した体験型の施設。1階の「グラウンド・ビジョン」「シアター」では、それぞれ合戦の様子を映像で表現し、理解を促してくれます。まず床面に設置された巨大スクリーンのグラウンド・ビジョンで東西両陣営を俯瞰。シアターでは映像に合わせた音と風と振動で、まるで合戦の現場にいるような感覚にさせてくれます。
2階の「展示室」では、実物の武具などを展示しながら合戦に至る経緯やその後について解説しています。同じく「戦国体験コーナー」では、陣羽織を着て戦国武将になりきって写真撮影をすることも可能。また、5階は古戦場全体を見渡せる展望台になっています。そして記念館南隣の別館には、岐阜県産品や歴史グッズを販売するショップや、レストラン、カフェが併設されています。
なお、この記念館でもレンタサイクルを利用することができます。5階の展望台から古戦場を見渡したら、ここを拠点に史跡巡りに出掛けましょう!
住所:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原894-55
交通:JR関ヶ原駅から徒歩10分、名神高速道路関ヶ原インターチェンジから車で5分
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、12/29~1/3
料金:入館料=一般500円、高校生・大学生300円、中学生以下無料/レンタサイクル=普通自転車660円~、電動アシスト付自転車1210円~(新型コロナウイルス感染症対策のため事前予約制。記念館ホームページで予約可)/
関ケ原町歴史民俗学習館
岐阜関ケ原古戦場記念館に隣接する「関ケ原町歴史民俗学習館」は、関ケ原の歴史とともに郷土そのものにスポットを当て、教育的視点や体験的要素を重視した施設です。全国の歴史ファンが集い、歴史を学び、語ることができる内容となっています。
1階には「関ケ原アーカイブス」として、関ケ原の戦い等に関する書籍を配架。休憩しながら閲覧することができます。2階には縄文時代から現代まで6つの時代に分けて関ケ原を解説する「地域展示室」や、関ケ原の明治以降の生活を紹介し、来館者に体験しながら楽しんでもらう「体験展示室」があります。
住所:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原894-28
交通:JR関ヶ原駅から徒歩10分、名神高速道路関ヶ原インターチェンジから車で5分
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、12/29~1/3
料金:入館料=無料/
関ケ原笹尾山交流館
関ケ原の戦いで石田三成の陣が敷かれた笹尾山近くにある交流施設。ここでは気軽に甲冑を体験でき、着たまま史跡散策に出掛けることもできます。パンフレットの配布など観光案内も行っており、史跡巡りの休憩スペースとしてぜひ利用したい施設です!
住所:岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原1167-1
交通:JR関ヶ原駅から徒歩20分、名神高速道路関ヶ原インターチェンジから車で5分
開館時間:10:00~16:00
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌平日)、12/29~1/3、12月~2月は土・日・祝日のみ開館
料金:甲冑体験=足軽1650円、大将2200円ほか/
不破関資料館
関ケ原町を舞台にした歴史上の戦いは、1600年の関ケ原の戦いだけではありません。もう一つの大きな戦いが、672年に大海人皇子と大友皇子が皇位を巡って戦った「壬申の乱」です。この戦い後の8世紀初頭、謀反を起こした者が東国に逃げられないようにするため、東山道に不破関が設けられました。これは東海道の鈴鹿関、北陸道の愛発関(あらちのせき)とともに古代三関の一つとされています。
不破関資料館は、不破関跡のすぐ近くにあります。館内には不破関跡から出土した貴重な土器類、壬申の乱に関する解説パネル、関所全景を復元したジオラマなどが展示されているほか、大海人皇子、大友皇子の当時の動きがよく分かる映像も見ることができます。関ケ原の戦いをさかのぼること約1300年、はるか昔からこの地が日本の重要な場所であったことに思いをはせてみましょう!
住所:岐阜県不破郡関ケ原町大字松尾21-1
交通:JR関ヶ原駅から徒歩20分、名神高速道路関ヶ原インターチェンジから車で5分
開館時間:9:00~16:30(11月から3月は16:00まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、祝日の翌日、12/29~1/3
料金:入館料=大人110円、小中学生無料/
関ケ原はドライブで巡る旅にも最適!
昔から交通の要衝であった関ケ原町。それは今も同じで、JR東海道線関ヶ原駅と名神高速道路関ケ原インターチェンジが町の中央にあり、日本の東西からアクセスしやすいロケーションとなっています。関ケ原は豊かな自然にも恵まれているのでドライブ旅にも最適。ぜひ車で回りたいお勧めスポットを紹介しましょう!
伊吹山ドライブウェイ
滋賀県と岐阜県の県境に位置する伊吹山。標高は1377mで、日本百名山の一つに数えられています。この伊吹山のふもとから9号目付近まで結ぶのが、全長17kmの「伊吹山ドライブウェイ」です。尾根を縫うように車で走れば、新緑や紅葉など四季折々で姿を変える大自然の美しさを堪能することができます。
終点の駐車場にあるショップ「スカイテラス伊吹山」からは琵琶湖を一望でき、天候が良ければ若狭湾も見えるほどの眺望。そして駐車場から山頂までは3つのハイキングコースを楽しむことができます。高山植物や美しい花々を楽しみながら登れば、そこには360度さえぎるもののない雄大なパノラマが広がります。
住所:岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原字寺谷1586
交通:名神高速道路関ヶ原インターチェンジから西へ約2km
営業時間:伊吹山ドライブウェイ8:00~20:00(最終入場18:00)、スカイテラス伊吹山10:00~16:00、営業予定期間は4月第3土曜日~11月最終日曜日で、それ以外は冬期休業
料金:軽・普通自動車3140円、自動二輪車(125cc以下は不可)2200円
胡麻の郷
関ヶ原インターチェンジから車で約7分、伊吹山ドライブウェイ入り口を通り過ぎ、緑の中をしばらく走ると見えてくるのが「胡麻の郷」。ここは、ごま製品を製造する工場「真誠インダストリアルパーク」に併設された、ごまのテーマパークです。あの「やなせスタジオ」がデザインしたキャラクター「シロゴマン」と「クロゴマン」が出迎えてくれます。
館内の「ゴマミュージアム」には、ごまにまつわる情報が満載。ごまの起源や歴史、種類や栄養成分、そしてレシピ集など、様々な角度からごまを紹介しています。また、併設のショッピングコーナーには、いりごま、すりごま、味付きごまといったごま製品、ごまを使ったお菓子、ふりかけなど多彩な商品が揃い、定番のものから珍しい加工食品まで購入することができます。
駐車場が広く、バスツアーの立ち寄りスポットとしても人気です。入館は無料なので、ドライブイン代わりに気軽に立ち寄って休憩で利用するのもいいでしょう。
住所:岐阜県不破郡関ケ原町大字玉1565-10
交通:名神高速道路関ヶ原インターチェンジから車で7分
営業時間:10:00~17:00
休館日:12月下旬~翌年2月末日
料金:入館無料
Sekigahara 花伊吹
「Sekigahara 花伊吹」は、レストランやお土産ショップなど観光に欠かせない施設が揃った関ケ原最大級のドライブイン。レストランでは近江牛一頭買いの店ならではの、いろいろな食べ方が楽しめる「近江牛づくし(2200円)」などの肉料理がお勧めです。
お土産には、本物の近江牛を使用した「反本丸(へんぽんがん)近江牛おこげせんべい(790円)」のほか、伊吹山で採れた伊吹百草蜜を使ったしっとり豊潤な「はちみつバウムクーヘン(1100円)」などのスイーツがいいでしょう。中でも忘れずにゲットしておきたいのが、圧倒的人気ナンバーワンの「伊吹高原チーズケーキ関ヶ原(1450 円)」。ほとんどがクリームチーズのしっとりもっちり食感が人気で、多いときには1日2000個が売れるとのこと。常温で持ち運びOKなので、贈り物としても最適です。
このほか、戦国武将グッズなどのお土産品も揃っているので、関ケ原旅行の総仕上げに買い忘れがないかチェックしながら買い物を楽しんでみてはいかがでしょうか。
住所:岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原1702-2
交通:名神高速道路関ヶ原インターチェンジから車で5分
営業時間:売店10:00~16:00 食事11:00~14:00
定休日:年中無休(臨時休業の場合あり)
友情や葛藤、時空を超えて人間ドラマが楽しめる関ケ原
日本のほぼ中央で交通の要衝となり、行き交う人々の思いも交錯した関ケ原。ここには武将たちの友情や葛藤、そして生きるための策略など、時空を超えた人間ドラマが今も息づいています。
ぜひ岐阜関ケ原古戦場記念館をはじめとする各施設で知識を深め、史跡巡りに出掛けてみてください。手付かずの自然がそのまま残る場所もあり、きっと戦国時代にタイムスリップしたような空気感が味わえるはず。史跡と自然が程よく調和し、非日常の空間へといざなってくれるところが関ケ原町の魅力なのです。
岐阜・大垣・関ケ原の新着記事
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!