更新日: 2023年10月25日
熊本城の見学のポイント!観光の前に知っておきたい歴史&見どころをご紹介
築城の名手、加藤清正の最高傑作であり、難攻不落の堅城といわれた熊本城。
2016年4月に発生した熊本地震により天守閣をはじめ、重要文化財に指定されている櫓や塀などが甚大な被害に見舞われました。
しかし、今、日本の高度な建築技術と関係者や地元の人たちの熱意が、熊本城の雄姿をよみがえらせようとしています。
そんな熊本城の見学のポイントを知って、観光の前に見どころを押さえておきましょう。
目次
【熊本城の見学のポイント】熊本城の概要
加藤清正が築いた近世城郭
天正16(1588)年に肥後の藩主として熊本に本拠を置いた加藤清正が7年もの歳月をかけて、慶長12(1607)年に完成させた。
熊本城
- 住所
- 熊本県熊本市中央区本丸1-1
- 交通
- JR熊本駅から市電A系統健軍町行きで17分、熊本城・市役所前下車、徒歩10分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~16:30(閉園17:00)
- 休業日
- 無休(12月29~31日休、年末公開を行う場合あり)
- 料金
- 入園料=大人800円、小・中学生300円/(30名以上の団体は大人640円、小・中学生240円、熊本市・福岡市・北九州市・鹿児島市在住の小・中学生及び65歳以上無料、障がい者手帳持参で無料)
【熊本城の見学のポイント】歴史を知ろう~日本最後の内乱西南戦争~
”西郷どん“が落とせなかった熊本城
1877(明治10)年、西郷隆盛率いる薩軍と山県有朋を征討総督とした政府軍が激しい戦いを繰り広げた。そんな中、当時日本陸軍の編制上最大の単位である鎮台の拠点が熊本城にあり、薩軍に包囲され攻撃される。しかし、多くの建物が消失するも熊本城は籠城している兵とともに固い守りを見せ薩軍を退けた。
どうして西南戦争はおこったの?
征韓論で下野した西郷隆盛は薩摩に帰り、若者たちの教育の場として私学校をつくった。しかし、こういった動きが明治政府に疑念を抱かせ、薩摩に密偵が送り込まれる。密偵は薩摩にあった火薬庫から政府所有の武器弾薬を持ち出そうとするが、私学校党にはばまれ、結果、私学校党が政府の武器弾薬を奪うことになる。そして、密偵の口から「西郷暗殺計画」を聞いた私学校党は激昂、西郷さえも抑えきれない事態となる。ついに、西郷を総大将とする薩軍が「政府尋問のため」という名目のもと、進軍を開始する。
薩軍
総指揮官 西郷隆盛
戦力30000人
西郷隆盛
薩軍幹部 桐野利秋
官軍
征討総督山縣有朋、川村純義
戦力70000人
山縣有朋
熊本鎮台司令長官 谷干城
【熊本城の見学のポイント】西南戦争をもっと知ろう
1877(明治10)年2月14日
薩軍の一番大隊が熊本方面へ出発。17日には西郷隆盛も桐野利秋らとともに熊本城へ向かった。薩軍の情勢を掴んでいた熊本鎮台司令長官谷干城は籠城を決意。薩軍が総攻撃をかけるも、熊本城を落とせず、城を包囲する作戦に転換。
3月4日
西南戦争最大の激戦となる田原坂の戦いが始まった。激しい銃撃戦と抜刀による白兵戦は16日間にも及び両軍ともに多数の犠牲者が出た。官軍は田原坂の戦いで薩軍を退却させ、薩軍に囲まれている熊本城開放への一歩を進めた。
4月14日 「官軍に負けたのではない、清正公に負けたのだ」
薩軍の背後をついた官軍別働隊は熊本城の包囲をついに破り、熊本城内との連絡を果たす。谷干城らによる籠城は52日間にも及び、加藤清正が工夫を凝らした熊本城は名実ともに不落の名城となった。西郷隆盛は「官軍に負けたのではない、清正公に負けたのだ」と独白したと伝えられている。
9月24日 「もうここらでよか」
九州各地で戦いを続けた薩軍だったが、9月1日に鹿児島へ戻り城山の洞窟に籠った。薩軍を約5万の兵で囲んだ官軍は、24日の早朝に総攻撃を開始。下山していた西郷隆盛は股と腹に被弾し、一緒にいた別府晋介に「晋どん、もうここらでよか」と言い静かに目を閉じたという。晋介は涙を流しながら介錯し自らも切腹。これにより西南戦争は終結を迎えた。
【熊本城の見学のポイント】熊本城を見学できる2エリア
熊本城を見学できる2エリア「二の丸広場」
春は花見客でにぎわう広場
二の丸駐車場のすぐ横にあり、大天守と小天守、宇土櫓を眺めるスポット。広場の奥には回収された石垣の石が並べられている。
熊本城を見学できる2エリア「加藤神社」
加藤清正を祀る神社
二の丸広場から徒歩数分の場所にある。敷地内から大小天守、宇土櫓、石垣などを間近に見ることができる。崩れた石垣から見つかった観音様を刻んだ石も展示している。
【熊本城の見学のポイント】よみがえる熊本城を見届けよう
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【筆者】まっぷるマガジン編集部
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