奥出雲【たたらの里】を訪ねよう！たたらとは？

木炭を燃やして砂鉄を還元し、純度の高い鉄を生産する日本古来の製鉄法がたたら製鉄。日本刀の材料となる良質な鋼「玉鋼（たまはがね）」は、たたら製法でしか生産できないといわれる。

たたら製鉄のようすを今に伝える
たたら製鉄に従事する人の職場や居住地域は「山内」と呼ばれており、菅谷たたら山内は、唯一現存する山内。宝暦元（1751）年から170年間操業していた菅谷高殿を中心に、三軒長屋や元小屋などが残る。

たたらの復元映像が見られる
古い町並みの中にある、鉄の技術や生活史に関する資料館。木造の1号館は、たたら製鉄の歴史やその技法、用具、資料などを展示。古民家と土蔵の2号館は田部家の鉄山経営や鍛冶集団を紹介。昭和44（1969）年に撮影された「和鋼風土記」の映像は必見。

【菅谷たたら山内から車で20分】
癒やしとくつろぎの里山リゾート
開湯1300年の歴史を誇る出雲湯村温泉の宿泊施設。斐伊川の清流を望む静かな山狭に立地し、出雲國風土記の時代から湧き続ける「漆仁の湯」という薬湯を楽しむことができる。全館リニューアルされた施設内は快適性にすぐれ、夕食では山陰の恵みをふんだんに使った会席料理がいただける。

古代からのたたらの歴史がわかる
古代から現代まで続く奥出雲のたたら製鉄を展示と映像で紹介。伝統的製法で操業される日刀保たたらについての映像資料、たたら炉の実物大断面模型は必見。月2回、刀匠による玉鋼を用いた刀剣鍛錬の実演を見学できる。

奥出雲を代表する鉄師頭取の館
元松江藩鉄師頭取（たたら製鉄師）・山林地主の絲原（いとはら）家に伝わるたたら製鉄の用具、美術工芸品、民俗資料などを収蔵、公開。隣接する居宅（国登録有形文化財）や庭園、散策路“洗心乃路”を併せて見ると、かつての鉄師の生活がしのばれる。

たたらにまつわる歴史を知る
戦国武将 塙団右衛門（ばんだんえもん）の末裔家で松江藩の鉄師頭取も努めた櫻井家。館内には櫻井家に伝わる美術工芸品や「たたら製鉄」資料等を展示。隣接する櫻井家住宅（重文）や庭園（名勝）は歴代藩主や多くの文人墨客を迎えてきた。