ならまち・高畑観光モデルコース！さまざまな時代の庶民のパワーが随所に見える街

元興寺の旧境内を中心とした通称ならまちは、古都らしい街並の残る情緒あふれる界隈。小さな路地が走り、江戸末期から明治期の商家や民家、古刹がそこかしこに見られます。町家を生かしたカフェやみやげ物店も並び、古い建物の軒先には愛らしい身代わり猿のお守りが揺れています。

春日大社の南の高畑町は、春日大社の神官たちが暮らした旧社家町。土塀の続く通りは風雅な味わいがあり、大正から昭和初期には、作家や画家ら多くの文化人が好んで移住しました。その中心人物でもあった文豪・志賀直哉の旧居が公開されています。

ならまち・高畑観光モデルコースで立ち寄るスポットは8つ。各スポットを詳しく見ていきましょう。

街のなかにたたずむ小さなお堂。無数に下がっている赤いお守りは、災難や病気を代わりに受けてくれる「身代わり申」。道教に由来する庚申信仰の拠点です。

江戸時代から明治時代にかけて、ならまちに軒を連ねた伝統的な町家を細部まで忠実に再現。入館料無料なので、散策中の休憩も兼ねて立ち寄ることができます。

国宝の本堂内には、珍しい石仏龕が祀られ、不動明王、仁王、七星九曜などが浮き彫りにされています。そのほか、南門、十三重石塔、興福寺曼荼羅石などが見どころです。

興福寺大乗院家の坊官、福智院氏の居宅を1924（大正13）年に造り酒屋の今西家が譲り受けたもの。重要文化財に指定されている書院内では、抹茶と季節の和菓子などが楽しめます。

747（天平19）年、光明皇后が夫・聖武天皇の病気平癒を願って創建した古寺。入母屋造りの本堂は創建当時のもので、国宝の薬師如来や十二神将像が安置されています。秋には萩の花が境内を彩ります。