目次
秋はのどかに
実りの田園と色鮮やかな紅葉が美しい季節。10月中旬から11月初旬に見頃を迎える。
冬は雪化粧
12月下旬から3月上旬は雪景色が楽しめる。すっかり雪に覆われた合掌造りが見もの。
和田家
最大級の規模を誇る築300年以上の合掌造り家屋
江戸時代に名主や番所役人を務め、焔硝の取引によって栄えた和田家の住宅。1階面積110坪の造りは白川郷随一の規模で、国の重要文化財となっている。現在も住居として使用しており、一部を一般公開している。
屋根
開いた本を伏せたような切妻屋根は、重たい雪から建物を守り、雪下ろしの苦労を軽減するための工夫。厚みは80cm以上にも及ぶ。
茅を使うのはなぜ?
茅の内部はストロー状で水はけが良く、雨漏りを防ぐ優れもの。断熱性や通気性にも優れ、室内を快適にしてくれる。
屋根裏
住居空間は1階のみで、2階以上は養蚕業などの家業が行なわれた場所。南北に窓が開かれ、風通しが良い。
ウシノキ
囲炉裏の上部に架かるウシノキは大黒柱を支える大梁。これが太いほど、家屋の規模が大きいことを表す。
囲炉裏
「おえ」と呼ばれる居間には中央に囲炉裏があり、家族の団欒の場となっている。上部は吹き抜けで、煙が屋根裏に流れる造りになっている。
ススや煙が家を強くする!?
部屋を暖める囲炉裏には、煙による殺虫効果やススが建材を頑丈にする役割がある。そのため、かつては一年中、薪で火を焚いた。現在は炭の火が入る。
小屋組
固定は縄だけ!
金具類はいっさい使わず、木の枝をやわらかくした「ネソ」や藁縄などの自然素材だけで建具を固定している。
和田家
- 住所
- 岐阜県大野郡白川村荻町997
- 交通
- JR高山本線高山駅から濃飛バス白川郷線白川郷方面行きで50分、白川郷バスターミナル下車、徒歩3分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~17:00(閉館)
- 休業日
- 不定休(年末年始休)
- 料金
- 大人300円、小学生150円(25名以上の団体250円、人数分一括支払いのみ、障がい者手帳持参で大人150円)
明善寺郷土館
全国的にも珍しい合掌造り建築の寺
約260年前に創建された浄土真宗の寺。本堂、鐘楼門、庫裏のすべてが合掌造りで成り立っているのは、全国でも貴重だ。庫裏が郷土館として公開され、農具や炊事道具などの民俗資料が見られる。
明善寺郷土館
- 住所
- 岐阜県大野郡白川村荻町679
- 交通
- JR高山本線高山駅から濃飛バス白川郷線白川郷方面行きで50分、白川郷バスターミナル下車、徒歩10分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 8:30~17:00(閉館)、12~翌3月は9:00~16:00(閉館)
- 休業日
- 不定休
- 料金
- 大人300円、小・中学生100円(団体25名以上で大人320円、小・中学生160円)
神田家
火薬製造が行なわれていた遺構が見学できる
文政年間に和田家より分家。焔硝(火薬)生産や養蚕業で栄え、床下の焔硝製造場は今もそのまま残されている。母屋周辺にある水神さまや稲架倉や唐臼小屋も見ておきたい。
神田家
- 住所
- 岐阜県大野郡白川村荻町796
- 交通
- JR高山本線高山駅から濃飛バス白川郷線白川郷方面行きで50分、白川郷バスターミナル下車、徒歩8分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~17:00(閉館)
- 休業日
- 不定休、12~翌2月は水曜
- 料金
- 大人300円、小学生150円(団体15名以上大人250円、小学生100円)
結の心で行う村の行事
人々が相互扶助の心で助け合う「結」の精神によって、白川郷の美しい暮らしが守られている。
屋根の葺き替え
約30年に一度行なわれる屋根の葺き替えは、村民総出の一大行事。数は少なくなりつつあるが、現在も結による伝統の葺き替えが続けられている。
田植え
5月下旬の田植え祭では、地元の女性たちが早乙女姿で苗を植える。
一斉放水訓練
火災に備えて11月上旬に実施。美しい山里を守るための取り組みだ。
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【筆者】まっぷるマガジン編集部
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