

更新日: 2025年3月27日
飛騨高山で明治時代の豪商の家を見学!吉島家住宅の詳細をチェックしましょう
軒高など、江戸幕府の制限がなくなった明治期の町家建築。
豪商の旦那衆のセンスと匠の技が光る、高山を代表する名建築・吉島家住宅をすみずみまで見学しよう!
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飛騨地方の豪商の家とは?
造り酒屋や生糸など手広く事業を行ない、財を成していた商家の豪華な建築物が、高山市内をはじめ飛騨地方に多く残る。とくに建築制限が解かれた明治時代以降は、職人の技や意匠も発展し、美しい名建築が次々に誕生した。旦那衆の奉仕による神社仏閣や屋台なども多い。
繊細で女性的な明治時代の商家「吉島家住宅」
1907(明治40)年に建てられた町家で、国の重要文化財にも指定されている。当時の造り酒屋の面影を伝える華麗な建物で、漆が施された柱や梁、立体的な格子など、すみずみまで神経のゆき届いた繊細で美しい造りが見どころ。
【飛騨高山×吉島家住宅】住宅データ
★敷地面積 … 880㎡
★間口 … 約26.3㎡
★奥行き … 約33m
★主屋の総部屋数 … 19
★蔵の数 … 3
【飛騨高山×吉島家住宅】Check!1 吹き抜けの空間
匠の技が際立つ大空間
高山の町家の典型的な吹き抜けの中でも圧巻のスケール。束と梁のむき出しの構造が美しい。
29cm角、高さ8mに及ぶ板目無節のヒノキが組まれている
木目の美しさが際立つ、アカマツに春慶塗りを施した梁
中抜き千本無双連子戸と呼ばれる漆塗りの1.8m×1.8mの板戸
【飛騨高山×吉島家住宅】Check!2 文庫蔵
ケヤキの玉杢が美しい
座敷の奥にある貴重品や大切な書物などを収めていた蔵。扉はケヤキの玉杢(渦のような木目)の部分を使用している。
京都の本願寺大門と兄弟木(同一材)という貴重な銘木
【飛騨高山×吉島家住宅】Check!3 ギャラリースペース
篠田桃紅やイサムノグチのリトグラフを展示
篠田桃紅作品のコレクターだったジャズピアニスト、ジョン・ルイスのピアノを中心にしたBGMが流れている井戸端ギャラリー。
【飛騨高山×吉島家住宅】篠田桃紅とは?
1913(大正2)年生まれ。現在104歳の現役の書家で岐阜出身。1956(昭和31)年に渡米し、NYを拠点に精力的に個展を開催し、世界でその名を広める。吉島家当主の縁戚にあたることから、屏風や掛け軸などの桃紅作品を住宅で展示している。
茶室に掛けられた「舟」という文字の茶掛け
仏間手前の8帖間に飾られる二つ折り屏風〈釋迢空(しゃくちょうくう)〉
1階の茶室の茶釜の後ろに飾られる風炉さき屏風〈あさきゆめ〉
【飛騨高山×吉島家住宅】Check!4 本庭
秋は紅葉、冬は雪景色が美しい
雪見灯篭と春日灯篭などがあったが、60年以上前から庭全体が野生化してしまった。季節の草花は楽しめる。
【飛騨高山×吉島家住宅】ココもcheck!!
A 春慶塗りの柱や梁
建物のいたるところに、木目を美しく見せる春慶塗りを施した技法が施されている
B 紋の入った暖簾
御台場建設資金上納により、将軍家の紋所の使用を許された「二つ引両紋の暖簾」
C 下地窓
文庫蔵の前室の、壁の下地を見せた窓。数寄屋風造りのモダンな演出の部屋
D 道路側の外観
造り酒屋を営んでいた家なので、酒神を祀る三輪神社の杉玉が軒先に下がる
【飛騨高山×吉島家住宅】Check!5 階段
建物内に2か所の階段
建物がスキップフロアで構成されているため、階段も流れるように溶け込む。
2階へ上がるとアートな休息所
外の格子窓から入り込む光が落ち着く、アートな雰囲気の休息所
【飛騨高山×吉島家住宅】Check!6 中2階
20世紀を代表する建築家チャールズ・ムーアも好んだ段差
スキップフロアの建築が斬新!踊り場のような座敷間とその奥に2段の踏み台を経て2間続きの部屋が続く。
折り上げ天井
屋根の勾配に折り上げて、前面の天井高をかせいだ形状のもの
中2階から一段上がる「高2階」。家中でもっとも高い位置にあり、家長が使用した
吉島家住宅
- 住所
- 岐阜県高山市大新町1丁目51
- 交通
- JR高山本線高山駅から徒歩15分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~17:00(閉館)、12~翌2月は~16:30(閉館)
- 休業日
- 無休、12~翌2月は火曜
- 料金
- 入館料=大人500円、小・中学生300円/(団体30名以上は50円引)
ほかにもある! 明治の町家建築
1875(明治8)年の大火を逃れた建築物や再建された町家が界隈に点在する。豪商の豪華な住居だけでなく、この地方の標準的な町家を見ることもできる。
【飛騨高山×明治の町家建築】高山を代表する豪商の豪邸「日下部民藝館」
1879(明治12)年の建築で、国指定重要文化財。豪壮な吹き抜け構造が特徴で、太さ約21mの大黒柱や、長さ約13mの梁などが見ものだ。江戸後期~明治の生活用具も展示している。
日下部民藝館
- 住所
- 岐阜県高山市大新町1丁目52
- 交通
- JR高山本線高山駅から徒歩15分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 10:00~16:00
- 休業日
- 無休、12~翌2月は火曜休、祝日の場合は翌日休(臨時休あり)
- 料金
- 入館料=大人1000円、高校生500円、小・中学生300円、幼児は無料/(30名以上の団体は100円引)
【飛騨高山×明治の町家建築】”うなぎの寝床”が特徴の家「宮地家住宅」
1875(明治8)年の大火の後に再建された標準的な町家で、家主は米屋や酒屋と農業を行った半農半商だった。間口が狭く奥行きが深い「うなぎの寝床」の造りが特徴。
宮地家住宅
- 住所
- 岐阜県高山市大新町2丁目44
- 交通
- JR高山本線高山駅から徒歩20分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~16:30(閉館)
- 休業日
- 月~金曜、祝日の場合は開館(12月28日~翌1月4日休)
- 料金
- 無料
【飛騨高山×明治の町家建築】趣のある市内最古の町家建築「松本家住宅」
1826(文政9)年ごろに建てられた住宅で、高山市内で現存する町家の中では最も古いとされる。町人が暮らしていた標準的な町家建築を伝える貴重な文化財。
松本家住宅
- 住所
- 岐阜県高山市上川原町125
- 交通
- JR高山本線高山駅から徒歩20分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~16:20(閉館16:30)
- 休業日
- 月~金曜、祝日の場合は開館(12月28日~翌1月3日休)
- 料金
- 無料
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【筆者】まっぷるマガジン編集部
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