更新日: 2024年4月19日
高山陣屋の見どころナビ 江戸時代の建物をそのまま残す唯一の御役所を訪れよう
高山陣屋はJR高山駅から徒歩10分ほどの場所に位置しており、江戸時代の主要建物のが唯一現存されている史跡として今も多くの観光客が訪れます。
江戸時代に建てられ、今なお現存して見学できる高山陣屋は、当時の建築技術や文化、生活などの様子を知ることができる貴重な史跡です。
ここで注目したい見どころを事前にチェックして、見学の際に役立てよう。
高山陣屋はこんなところ
江戸時代の建物をそのまま残す“唯一”の現存郡代・代官所。1586(天正14)年に金森長近が飛騨の国主になり、その後106年にわたり金森氏が6代にわたって飛騨を統治したが1692(元禄5)年に江戸の直轄領に。金森氏が所有していた屋敷を江戸幕府が陣屋として使用したことが今の高山陣屋のルーツとなっている。
無料ガイドが常駐!
高山陣屋には5人の専門ガイドさん「陣屋五人衆」が在籍しており、無料で建物の歴史や見どころなどを詳しく教えてくれる。窓口で頼むか、入口で直接相談してみよう。空いていれば当日でもOK。事前に予約しておくこともできる。所要時間は約1時間。
高山陣屋
- 住所
- 岐阜県高山市八軒町1丁目5
- 交通
- JR高山本線高山駅から徒歩10分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 8:45~17:00(閉館)、11~翌2月は~16:30(閉館)
- 休業日
- 無休(12月29日~翌1月3日休)
- 料金
- 入場料=大人440円、高校生以下無料/ガイド(30~60分)=無料/(30名以上の団体390円、障がい者手帳持参者入場料無料)
【高山陣屋】ガイドさんに聞く陣屋一問一答
Q. いつからあるの?
A. 江戸時代に使われた殿様の屋敷がルーツ
飛騨を統治していた金森氏が所有していた下屋敷を、1695(元禄8)年から江戸幕府が陣屋として使用するようになりました。一部で整備・改築・復元などの手が加えられていますが、基本的には江戸時代の建物ということになります。
Q. 陣屋ってそもそも何?
A. 現代でいう行政・警察・司法の官庁です
江戸から派遣された代官や郡代が、年貢を取り立てたり罪人を裁いたりしていた場所が高山陣屋です。当時の行政・警察・司法をここで取り仕切っており、また郡代は家族とともに陣屋内にある家屋=郡代役宅に暮らしていたので、公務員宿舎でもあります。幕末までは全国に60数か所の陣屋があったそうですが、主要な建物が現存している陣屋は高山陣屋だけで、国史跡に指定されています。
・大広間や役宅から眺める日本庭園は情緒がある。四季折々の表情を楽しもう
・玄関付近にはガイドが待機。無料で50〜60分の案内が受けられる。事前予約がおすすめ
・陣屋前では毎日、朝市が開催されている。少し早めに行ってのぞいてみよう
マニアックな見どころ
【高山陣屋】代官の生活空間
【高山陣屋×代官の生活空間】庭園を望める居間「嵐山の間」
代官がゆったり過ごした居間にあたる空間で「嵐山の間」と名付けられている。過去には将棋の名人戦が行なわれたことも。
【高山陣屋×代官の生活空間】住み込みの使用人部屋「女中部屋」
使用人(奥女中)が住む専用の部屋。女中の地位も比較的高かった。
【高山陣屋×代官の生活空間】広々とした台所「台所と土間」
土間が隣り合う下台所と、板間に釜戸がある台所があり、合わせるとかなりゆったりとしている。
【高山陣屋】役人の仕事部屋
【高山陣屋×役人の仕事部屋】地元採用組の職場「御用場」
御役所と仕切られた隣の空間は御用場。ここを執務室にしていたのは、地元採用を中心とした地役人。
【高山陣屋×役人の仕事部屋】幕府から来た役人の職場「御役所」
幕府から派遣されてきた代官直属の役人(現代でいうキャリア組)が仕事をする部屋。当時における行政の中心がここだった。
【高山陣屋×役人の仕事部屋】西日が入る明るい部屋「書役部屋」
江戸幕府などに提出する大切な書類をここで作成する、書き物専用の部屋。
【高山陣屋×役人の仕事部屋】最大49畳の多目的ルーム「大広間」
襖の仕切りを開放すると最大で49畳の広さになる大広間。儀式などに使われた。
【高山陣屋×役人の仕事部屋】年貢米を大切に保管「御蔵」
1695(元禄8)年に高山城から移築された米蔵。江戸時代当時は現在のおよそ倍の蔵があったとされる。1棟あたり8つの部屋に区切られており、1部屋で約2000俵の年貢米を収納できた。
【高山陣屋×役人の仕事部屋】厳しい取り調べの部屋「御白洲」
主に刑事事件の取り調べや裁判が行われた空間。罪人を正座させるギザギザの台(責台)や、膝の上に一枚ずつ乗せていく重い石(抱石)がある。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】まっぷるマガジン編集部
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