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ストーンサークルに注目!「秋田・岩手」の縄文遺跡群を旅する 出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp)

編集工房ビータス

更新日: 2024年11月12日

ストーンサークルに注目!「秋田・岩手」の縄文遺跡群を旅する

2021年7月に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、世界文化遺産に登録されました!

縄文時代は、1万年以上争いなく続いた日本独自の文化。「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、青森県を中心に、北海道・岩手県・秋田県に17の遺跡があり、ストーンサークルや貝塚、復元された竪穴式住居などを見ることができます。
縄文時代の人々がどのような生活を営んでいたかを知ることができる貴重な場所なんですよ。土偶や土器といった出土品も必見です!

今回は、秋田県の2つの遺跡と、岩手県の御所野遺跡を紹介します。
御所野遺跡は、住居や墓、祭祀場などがあり、縄文時代の「ムラ」の様子を実感できる遺跡。
秋田の大湯環状列石は2つの大きなストーンサークルがあり、祭りの道具と考えられるキュートな顔の土版が出土しています。大館能代空港のそばにある伊勢堂岱遺跡には4つのストーンサークルが隣接する珍しい遺跡ですよ。

それでは今回も、1万年の時空をめぐる縄文の旅へ出かけましょう!

「北海道・北東北の縄文遺跡群」の魅力とは

1万5000年前から2400年ほど前まで、日本では1万年以上も縄文時代が続きました。
その間には、気候が大きく変わったり自然災害もありながらも、生活スタイルを変化させて環境にうまく適応して暮していたようです。

土器が誕生して、移動型の暮らしから定住型の暮らしにシフト。そこからムラが生まれ、さらにそのムラに、お墓や祈りの場、ゴミ捨て場などができ、どんどん生活が発展していったと考えられています。

この、縄文時代の定住から発展にいたる過程を知ることができるのが「北海道・北東北の縄文遺跡群」のスゴイところなのです。また、土偶や土器などにみられる縄文時代ならではの精神性、アート性にも注目です。

それでは、各遺跡の特徴を見ていきましょう!

「北海道・北東北の縄文遺跡群」の魅力とは

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ムラでは土の屋根の家に住んでいた!「御所野遺跡」

ムラでは土の屋根の家に住んでいた!「御所野遺跡」
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp) 東ムラに復元された土屋根住居

御所野遺跡は現在公園として整備されており「縄文時代の集落の様子を実感できる遺跡」です。
縄文時代の人々の暮らしを知る手がかりが眠る遺跡が保存されており、遺跡の周辺には人々の生活の知恵や工夫を探ることができる豊かな自然も広がっているので、のんびりくつろぐのにもおすすめです。

縄文時代の住居跡の発掘調査成果からは、屋根に土を被せて家を造っていたことがわかっています。
土や炭になって残った建築材などの堆積の状況から屋根に土がのっていたことがわかったのだとか。公園内には、復元された土屋根住居があり、中に入ることもできるようになっています。

石を並べて輪にした「配石遺構」

石を並べて輪にした「配石遺構」
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp) 配石遺構と復元された掘立柱建物

遺跡の中央には、「配石遺構」と呼ばれるさまざまな形に石を並べた組み石が大きな輪のように広がっています。
縄文人が並べた本物の遺構を実際に見ることができます。
配石遺構はいろいろな形に石が組まれており、お墓やマツリの場となっていたと考えられています。

 

【御所野縄文博物館】
電話:0195-32-2652
住所:岩手県一戸町岩舘御所野2
開館時間:9:00~17:00( 入館は~16:30)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)
入館料:300円(高校生以下無料)
アクセス:IGRいわて銀河鉄道線一戸駅から車で約5分

2つの大きなストーンサークルがある「大湯環状列石」

2つの大きなストーンサークルがある「大湯環状列石」
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp) 手前が「野中堂環状列石」、奥の「万座環状列石」には復元された竪穴住居が建つ

大湯環状列石にある「野中堂」、「万座」と呼ばれる2つのストーンサークル(環状列石)は、その規模や形状が似ていることが最大の特徴です。石で二重の環が造られていることや、ストーンサークル(環状列石)の外側に広がる遺構が同じような位置に造られています。

2つのストーンサークル(環状列石)のなかには石を集めて丸や四角などさまざまな形に組み合わせた「組石」があります。組石のなかにはお墓である可能性が高いものや、日時計状組石のように特別な場所に配置されているものがあります。それらが集まって大きなストーンサークルが形造られているのです。
大湯環状列石はマツリの場であったようです。現地には案内板などが設けられていないので、詳しく知りたい方はボランティアガイドさんに案内してもらうのがおすすめです。

数字を表したキュートな出土品「土版」

数字を表したキュートな出土品「土版」
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp) 刺突の数を一つずつ増やし、身体の特徴や数を表現している

大湯環状列石の出土品が見られる大湯ストーンサークル館。
数ある出土品の中で人気なのが、なんとも言えない表情がかわいい「土版」です。
人の体を簡単にあらわしており、1~6までの数が示されています。 数字は、小さなくぼみであらわされており、例えば口が1、目が2、乳房が3と4、体の中央にある正中線が5、背後の耳が6です。土版は縄文人が数を意識したことを示す貴重な出土品なんですよ。
 

【大湯ストーンサークル館】
電話:0186-37-3822
住所:秋田県鹿角市十和田大湯万座45
開館時間:9:00~18:00(11~3月は~16:00)
休館日:11~3月の月曜(祝日の場合は翌日休)
入館料:320円
アクセス:JR花輪線鹿角花輪駅から車で約25分

4つのストーンサークルがある「伊勢堂岱遺跡」

4つのストーンサークルがある「伊勢堂岱遺跡」
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp) 4つのストーンサークルが近くに配置さている

伊勢堂岱遺跡は大館能代空港のすぐ近くにある遺跡です。空港への道路を建設している時にストーンサークル(環状列石)が3つ見つかりました。さらに後でもう1つ見つかり、環状列石が4つも集中しています。
ストーンサークル(環状列石)は、大きな石を円形にならべた遺跡で、お墓や儀式をするための神聖な場所と考えられています。隣接して4つものストーンサークル(環状列石)が配置されているのはほかにないそうです。

ストーンサークル(環状列石)の大きさな直径30m以上〜45m。多くの川原石が使われていて、岩の種類は25もあります。近くの川から運ばれていると考えられており、運んできた石は、土手状に厚く盛土した部分に配置されています。縄文時代に、すでに土木工事のようなことが行われていたのですね。

環状列石から出土した「板状(ばんじょう)土偶」

環状列石から出土した「板状(ばんじょう)土偶」
出典:JOMON ARCHIVES(https://jomon-japan.jp)

ストーンサークル(環状列石)からは、キノコの形や、うずまきの文様がついた土製品などが見つかっています。
また、土偶はほとんどが壊れており、何かの願いを込めて壊されていたと考えられています。
1体だけ、完全に復元できた板状土偶は、逆三角形の形で、少しとぼけたような顔が特徴です。
土偶は、環状列石で行われた儀式に使われていたようです。
秋田県有形文化財になっている板状土偶は、伊勢堂岱遺跡に隣接する「伊勢堂岱縄文館」で見ることができます。
 

【伊勢堂岱縄文館】
電話:0186-84-8710
住所:秋田県北秋田市脇神小ヶ田中田100-1
開館時間:9:00~17:00(入館は~16:30)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)
入館料:無料
アクセス:秋田内陸縦貫鉄道縄文小ケ田駅から徒歩5分/大館能代空港から車で約5分/秋田自動車道伊勢堂岱ICから車で約5分

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できれば現地で縄文を感じてほしい!

縄文遺跡の魅力についてざっくりとお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

北海道と東北の個性あふれる遺跡を旅して、縄文の魅力をぜひ現地で体感してみてはいかがでしょうか。
その際には、「北海道・北東北の縄文遺跡群を旅するガイド」を片手に持って足を運んでもらえるとうれしいです!

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