更新日: 2024年7月30日
世界遺産「大浦天主堂」をクローズアップ! 建物と堂内の見どころナビ
大浦天主堂は、グラバー園と肩を並べる人気の高い観光スポットです。
青空に映える白い天主堂はもちろん、美しく輝くステンドグラスなど堂内も見ごたえがあり、世界遺産にふさわしいたたずまいが多くの人をひきつけてやみません。
こちらの記事では建物の見どころと、堂内の見どころを詳しくナビゲート。
事前にポイントをおさえて、より充実した大浦天主堂見学をしましょう。
目次
世界遺産・大浦天主堂の概要
江戸末期に建てられた教会で、中世ヨーロッパ建築を代表するゴシック調の建造物。明治12(1879)年に改築し、現存するゴシック様式の教会のなかでは最古で国宝に指定されている。禁教令によって途絶えたと思われたキリスト教が奇跡の復活を遂げた「信徒発見」の舞台として、世界中に名をとどろかせた。2018年7月に世界遺産に認定された。
詳しく知りたい! 「信徒発見」
元治2(1865)年3月17日、完成して間もない大浦天主堂を十数名の男女が訪れ、プティジャン神父に、キリスト教を信仰していることを告白。250年もの間、キリスト教への厳しい弾圧が続いたにもかかわらず、信仰が受け継がれていることが初めて明らかになった瞬間だった。大浦天主堂には、その様子を刻んだレリーフがある。
教会トリビア「カテドラル」
教区において、もっとも重要な聖堂をカテドラルと呼ぶ。大浦天主堂のカテドラルとしての歩みは、慶応2(1866)年にプティジャン神父が日本代牧区司教に任命されたことにはじまる。
国宝大浦天主堂
- 住所
- 長崎県長崎市南山手町5-3
- 交通
- JR長崎駅から長崎電気軌道1号系統崇福寺行きで7分、新地中華街で長崎電気軌道5号系統石橋行きに乗り換えて6分、大浦天主堂下車、徒歩6分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 8:30~17:30(閉館18:00)、11月1日~翌2月末日は~17:00(閉館17:30)
- 休業日
- 無休
- 料金
- 拝観料(キリシタン博物館入場料含む)=大人1000円、中・高校生400円、小学生300円/(障がい者は大人300円、中・高校生200円、小学生150円、団体料金(20名以上)は大人900円、中・高校生300円、小学生200、障がい者大人250円、中・高校生150円、小学生100円)
大浦天主堂の建物の見どころをCHECK!
建物プロフィール
■創建:元治2(1865)年
■増改築:明治8~12(1875~1879)年
■修復:昭和27(1952)年(原爆被災による)・平成14(2002)年・平成30(2018)年
■構造:五楼式教会堂、桟瓦葺き、北端八角尖塔付き
●正面上部には仏教寺院の扁額のような「天主堂」の文字が。「天主」とは中国で使われていた言葉で、「神様」を指す
●屋根は日本瓦を用いた切妻式
●建築を担当した天草出身の大工、小山秀之進が日本の建築技術を取り入れたことにより、外壁は日本の蔵などに見られるしっくい塗りという斬新なスタイル。2018年6月にお色直しをした
●側面にある円形のバラ窓はゴシック建築の教会や大聖堂に多く見られるもの
大浦天主堂の堂内の見どころはココ!
【堂内の見どころ①】ステンドグラス
色ガラスによるモザイクのこと。堂内のステンドグラスは3度変遷しているため、改築・修復された時期によって同じ色でも少しずつ色味や透明度が異なる。
【堂内の見どころ②】マリア像
大祭壇を正面に、向かって右側の小祭壇に飾られているマリア像は、潜伏キリシタンがみずからの信仰を告白した「信徒発見」を見届けた像。
【堂内の見どころ3】プティジャン神父の墓碑
大浦天主堂の建設に尽力したプティジャン神父は、天主堂の地下に眠る。堂内に墓碑がはめ込まれている。
【堂内の見どころ4】天井
天井は軽くて耐久性のあるリブ・ヴォールド式の天井(こうもり天井)を採用。
【堂内の見どころ5】十字架のキリスト
主祭壇奥の「十字架のキリスト」は、幅1.5m、高さ3m。キリストと聖母マリア、使徒ヨハネ、十字架の下にはひざまずくマグダレナ・マリアが描かれている。原爆の爆風で大破したが、戦後にパリのロジェ商会により修復された。
【堂内の見どころ6】油絵
祭壇に向かって右上に飾られている油絵は、豊臣秀吉の命令によって磔の刑に処された26人のカトリック信者「日本二十六聖人」の処刑の様子を描いた油絵。教会には二十六聖人の遺骨も安置されている。
大浦天主堂キリシタン博物館もCHECK!
日本のキリスト教の歩みがわかる
大浦天主堂の敷地内に建つ「旧羅典神学校」と「旧長崎大司教館」をキリシタン博物館として活用。禁教の250年、信徒発見、再宣教など日本におけるキリスト教の歩みを、映像シアターなどを使ってわかりやすく紹介している。旧長崎大司教館の1階にはミュージアムショップがあり、教会らしいおみやげが買える。
■大浦天主堂キリシタン博物館
電話:095-801-0707
ひと足のばして♪聖フィリッポ教会へも
モダンで美しい祈りの家
正式名は「日本二十六聖人記念聖堂 聖フィリッポ教会」。二十六聖人のひとりで、メキシコ人初の殉教者となった聖フィリッポ・デ・ヘススに捧げられた。陶片タイルを張り付けた高さ16mの2つの塔は、遠目からも目をひく。堂内にはツバキや鳩をモチーフにしたステンドグラスがきらめく 。
ひと足のばして♪日本二十六聖人殉教地・日本二十六聖人記念館へも
信仰をつらぬいた聖人の哀史にふれる
禁教時代に信仰をつらぬき、処刑されたペトロ・バプチスタ神父を含む6人の宣教師、日本人信者20人を追悼する地。記念碑の後方の記念館では、聖フランシスコ・ザビエルの書簡、西洋の技法で和紙の上に描かれたマリア絵『雪のサンタマリア』など、貴重なキリシタン資料と美術品を多数展示している。
日本二十六聖人殉教地
- 住所
- 長崎県長崎市西坂町7-8
- 交通
- JR長崎駅から徒歩5分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 見学自由、記念館は9:00~17:00(閉館)
- 休業日
- 無休(記念館は年末年始休)
- 料金
- 記念館=大人500円、中・高校生300円、小学生150円/
日本二十六聖人記念館
- 住所
- 長崎県長崎市西坂町7-8
- 交通
- JR長崎駅から徒歩5分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~17:00(閉館)
- 休業日
- 無休
- 料金
- 大人500円、中・高校生300円、小学生150円(障がい者は入館料半額)
九州・沖縄の新着記事
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】クロス編集事務所
SNS
会社創立は平成元年。以来、『まっぷるマガジン』『ことりっぷ』などなど、福岡市の編集プロダクションとしての立地を生かし、見どころ、グルメ、温泉、宿など九州一円の観光情報誌の制作にかかわってきました。
これからも、これまで培ってきたノウハウを存分に発揮して、個性あふれる九州の魅力と元気のよさを多くの方々に伝えていきたいと思います!