更新日: 2024年7月26日
自転車系YouTuberけんたさんに聞く「スポーツバイクにハマると世界が変わる」話
日本狭しと全国を走り、各地の隠れた魅力を広める伝道師のようなけんたさん。
チャンネル登録者数が20万人を超える、大人気のYouTuberです。
サイクルライフを始めると人生は変わる? どんな魅力があるの?などビギナーが抱く疑問をぶつけてみました!
目次
YouTuber「けんたさん」とは?
けんたさん
1990年8月、イギリスのロンドン生まれ。
2歳のときに帰国した後、埼玉県内で育つ。県内の大学に進学し、観光学を専攻。
2020年にYouTuberとして独立し、毎月10本ほどのサイクリング動画をアップし続けています。
YouTubeチャンネル:けんたさん
チャンネル登録者数20.5万人(2021年3月現在)
片道15キロの自転車通学から始まった僕の自転車人生
本格的な自転車との出会いは、大学生のときです。
乗り換えの多い電車通学をしていたところ、友人が自転車で通い始めたんです。えっ、なんで? たいへんでは?と思いましたが、さほどでもないような話しぶり。
誘われるがままに5万円ほどのクロスバイクを買って、サイクル通学を始めてみたのです。
今から考えれば、ちょっと無謀だったかな……。距離は、なんと片道15キロほど! 自転車はそれまでごく普通に乗る程度でしたから、最初の頃はほんとうにきつかったですね。
でも、人間って次第に慣れていくもの。半年もすれば15キロを走るのが苦ではなくなって、楽しくさえ感じるようになり始め、どんどんと自転車の深みにはまっていきました。
3台目のロードバイクが僕の人生を変えました
当時、ダンスにもはまっていまして、ストリートライクなスタイルが好みでした。そこで続いて購入したのが、ピストバイク。
もともとはブレーキのないトラックレース用の自転車だったものが、ファッション性が高いことからストリートカルチャーの世界でヒットしていた、スピード重視のタイプです。
このタイプは、ギアがなく上り坂ではとっても重くなり、車輪とペダルが一体なので、下り坂でもペダルを高速回転させなければいけません。かなり体力を消耗するのです。でも、このスタイルが、むしろかっこいいと感じていました。
そんなサイクルライフを送った後、大学卒業の間際になって、サイクル通学に誘ってくれた友人がロードバイクデビューを果たしました。
正直、ピチピチのウエアを着て走るロードバイクなんて、かっこ悪いな~というのが第一印象。若気の至りでございます。でも、乗せてもらったら「これは、やばい!」と。ギアがありますから、長い距離も上り坂もとっても楽だし、下り坂はシャーと走れてすっごく気持ちよかった。
まさに、衝撃的な出会い!ロードバイクを即買しちゃいました。
サイクリングの主目的は各地を楽しむこと!
社会人になると、勤務先が自転車圏内だったこともあり、ロードバイクでのサイクル通勤をスタートさせます。このときの距離は、片道10キロほど。もう余裕の範囲です。
その後、転職をしまして、勤務先が都内だったために通勤は電車を利用。自転車は休日に楽しむものとなりました。この時期に、行く先々をじっくりと楽しみながらサイクリングする、今に通じるスタイルが確率しました。
私もともに走る友人も、ただ長い距離を走ることやスピードを出すことに喜びを感じるタイプではなかった。あそこの日の出がキレイと聞けば日の出ライド、あのキャンプ場がいいと聞けば1泊2日のキャンプツアーといった具合に、旅の楽しみがまず先にあり、移動手段が自転車という優先順位だったのです。
2020年、完全YouTuberになりました
こうした動画をYouTubeにアップしていくと、チャンネル規模がみるみる拡大。もっとアップしたいと欲が出てきて、自転車系のメディアに転職しました。この頃はまだYouTuberは堕落した職業のように見られていましたし、食べていけるかも不安。
結婚の際に義父に「YouTuberをやってます」なんて挨拶できないと思っていましたので、自転車に近い仕事で給料を得つつ、サイクリングをもっと楽しめるという生活を選んだのです。
そして30歳を迎えた2020年、完全にYouTuberとして独立しました。
この年は子どもが生まれ、引っ越しもして独立も。社会もコロナ禍に突入。激動の一年でした。不安いっぱいでスタートした独立生活ですが、今のところ、ありがたいことに順調に進んでいます。
この街を走ってPRしてほしいと自治体の方からお話をいただけば、すぐに動くことができます。動画の編集に割ける時間もたっぷりとできました。地方にでかけられない人に代わって、これからも日本のいいところをどんどんお届けしますね。
かつて、何百キロもの距離を走ることにはまった時期もありました。僕の1回の最長ライドは600キロ。さすがにしんどかったですが、走り切った!という達成感は忘れられません。
でも、そんな時期を過ぎた現在は、初めて走る土地で知られざる魅力を探しながら動画で見せていくことが好きになりました。数日をかけてじっくりと走るスタイル。
会社に勤務している方ができないような時間の使い方を、僕が代わりに見せられればと考えています。
今のお気に入りは、「極上の田舎ライド」
最近、気に入って使っている言葉を紹介しますね。それは「極上の田舎ライド」。その土地に暮らしている人には当たり前の風景であっても、初めて訪れた僕たちには絶景に見えたり――。
日本には、まだまだすばらしい場所がたくさん! 自転車は車や電車に比べてスピードが遅く、でも気軽に好きな場所に行けますから、普段は見過ごしてしまう風景にも出会えます。
そんなサイクリングの際に心がけていることは、プランの6~7割ほどを事前に決めておく以外、あとは現地で気ままに動くこと。ランチの店も決めず、走りながら見つけることもあります。ネット上にはない意外な発見があって、おもしろいですよ。好奇心も満たされる、ぜいたくな時間だと感じています。
でも、このスタイルも今だけかもしれませんね。しばらく経てば、また違うことを話しているのかも……。そう、サイクリングの楽しみは、人ぞれぞれですし、そのときの気分や訪れる場所によっても変わります。思い思いのスタイルで、楽しんでみてください。
自転車の楽しみ方は無限大
自転車という手段を手に入れると、移動するという過程も大きな楽しみの要素となります。目的地に着くには、時間も体力も必要。でも、疾走している気持ちよさや風景のすばらしさを感じることができ、より深くリフレッシュできるのではないでしょうか。
自転車で通勤するだけでも、人混みにもまれる圧迫感はありませんし、むしろ体を動かして気分転換になるはず。マイナスなことといえば、移動中にマンガが読めないことぐらいかな(笑)。
僕はクロスバイクでデビューしましたが、自転車は少し長距離を走っても疲れにくいタイプであれば、何でもいいと考えています。でも、いきなり高額なものを購入するのは勇気が入ります。レンタルしていろいろと乗り試して、好みのタイプを見つけるのもいいですね。
※今回紹介した記事は、2021年3月30日の「首都圏発 週末自転車さんぽ」から抜粋し、まっぷるトラベルガイド用に再編集した内容となります
発売日:2021年3月30日
価格:1,100円(税込)
A4変判、全104ページ
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