更新日: 2024年2月10日
高知城・完全ナビ!おすすめ見学モデルコースも紹介!
15棟の重要文化財など見どころが多い高知城。
全国で唯一本丸の建造物群がほぼ完全なまま現存する名城です。
必見のスポットをおさえながら散策しましょう。
また、高知城とあわせて立ち寄りたい、高知城歴史博物館もご紹介します。
高知城について知ろう
江戸時代の姿を今に伝える建造物群と仕掛けが随所に残る
1601(慶長6)年、土佐へ入国した山内一豊が築城をはじめ、10年の月日をかけて全城郭を完成させました。その後1727(享保12)年、城下町の大火で追手門を除くほとんどの建造物を焼失したものの25年かけて再建を果たします。現在は全国に12か所しかない現存12天守のひとつで、日本で唯一本丸の建造物群をすべて残す城でもあります。石落としや忍び返しなど工夫を凝らした仕掛けを城の随所で見ることができるのも魅力のひとつ。
高知城を築城した「山内一豊」とは
父は尾張国守護代の家老。戦で父を失った一豊は、10代前半で流浪の身に。豊臣秀吉に仕えて武功をあげ、関ヶ原の戦いでは徳川家康を支持。忠節が認められ、土佐一国を与えられた一豊は、約270年続く土佐藩の礎を築きました。
ボランティアガイドが案内してくれる
高知城の主要スポットや見どころを案内します。1日2回の無料定時ガイドと随時案内してくれる無料ガイドがあります。いずれも当日可。高知城観光案内所で受付。
無料定時ガイド
コース:天守最上階まで
所要:約1時間30分
時間:9:10発、13:30発
無料ガイド
コース:本丸御殿前まで
所要:約50分
時間:9:00~15:00
夜も必見
毎日日没後から22時までライトアップ。闇夜に浮かぶ高知城を見ることができ、「日本三大夜城」にも認定されています。季節のイベントに合わせたライトアップにも注目を。
高知城
- 住所
- 高知県高知市丸ノ内1丁目2-1高知公園内
- 交通
- JR高知駅からとさでん交通桟橋線桟橋通5丁目行きで5分、はりまや橋でとさでん交通伊野線伊野方面行きに乗り換えて4分、高知城前下車、徒歩10分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~16:30(閉場17:00)
- 休業日
- 無休(12月26日~翌1月1日休)
- 料金
- 入館料(天守・本丸御殿<懐徳館>)=大人420円、18歳未満無料/(障がい者手帳持参で本人と同伴者1名無料)
高知城のすごいところ
全国で唯一、本丸の建造物がすべて残る
1753(宝暦3)年に再建されてから現在まで、本丸御殿をはじめ本丸の建造物群がほぼ完全なまま残るのは全国でここだけ。天守など15の建物や矢狭間塀が重要文化財に指定されています。
天守 <重要文化財>
望楼に廻縁と高欄があるのは四国で高知城のみ。天守からの眺望も見事。
本丸御殿(懐徳館)<重要文化財>
本丸御殿が残るのは全国でも高知城と川越城のみ。書院造りの様式で、藩主専用の「上段ノ間」や武者隠しなどを見ることができます。
納戸蔵 <重要文化財>
控えの間として使われていた場所。現在は意匠をこらした欄間などを展示しています。
東多聞 <重要文化財>
武器庫として使われていた場所。現在はジオラマなどを展示。
黒鉄門 <重要文化財>
儀式の際に藩主が出入りするために用いられた門。鉄板が打ち付けられています。
江戸時代の気分に浸れる撮影スポット
江戸時代の天守と追手門が両方残るのは、全国でもわずか3城。さらにその両方を1枚の写真に収めてみましょう。 城の正門にふさわしい堂々たる追手門と高台に建つ天守とのコラボレーションは必見。
工夫された美しい石垣
雨が多い高知県ならではの工夫のひとつで、石垣から突き出るように作られた「石樋」があります。城内に設けられた水路から石樋へと雨水が排水され、地盤の崩れや石垣の崩壊を防いでいます。そのほか城内には400年前から残る趣ある石垣や、2009年に穴太衆の技術を用いて修繕された石垣もあり見ごたえがあります。
城を防御する、驚きの仕掛けの数々
攻守を考え抜いた高知城の構造や仕掛けに注目。「石落とし」や現存天守では高知城のみに残る「忍び返し」など、見ごたえあり!
石落とし
よじ登ってくる攻め手に対して、城の中から石や熱湯を浴びせるための穴。
忍び返し
天守の北東側にある鉄剣で、侵入者を防ぐ役割を果たす。
矢狭間塀 <重要文化財>
追手門や天守の塀にある攻撃用の穴。長方形の穴からは矢、丸や三角の穴からは鉄砲で攻撃していました。
現存12天守のひとつ
高知城は江戸時代以前に建設された天守が残る現存12天守のひとつ。廃城令から免れ、空襲の被害もなかったため、約270年前の姿を今に伝える貴重な城。日本100名城にも選出されています。
高知城見学モデルコース
①追手門 <重要文化財>
堂々とした構えの高知城の表門で、石垣の上に渡櫓をのせた造り。門前は桝形状になっており3方向から敵を攻撃できます。また櫓には石落としがあり、攻め手にとって最初の関門。
②鉄門跡
入母屋造り2階建ての門が設けられていた場所で、現在は石垣のみが残ります。門の扉に鉄板が打ち付けられていたことから、この名が付いたそう。
③三ノ丸
かつては三ノ丸御殿があり、年中行事や儀式を行っていた場所。長宗我部氏による築城時の石垣が発掘され、その一部の遺構を見ることができます。山内一豊の築城より約10年前の石垣といわれています。
④詰門 <重要文化財>
本丸と二ノ丸をつないでいます。2階は家老や中老の詰所として使用されていました。追手門と同じく三方から敵を攻撃できる構造になっています。
⑤本丸御殿(懐徳館) <重要文化財>
典型的な書院造りの様式で二ノ丸が完成するまでの間、山内一豊夫妻が暮らしたとされています。本丸御殿から天守に行ける構造は高知城のみで、天守と共に残る本丸御殿の遺構としては全国唯一です。
⑥天守 <重要文化財>
外観は4重、内部は3層6階建ての造り。二重の入母屋造りの屋根の上に二重櫓の望楼が載っています。1~4階では高知城築城の歴史などを展示。最上階からは360度のパノラマビューで、眼下に高知市街を一望できます。
高知城見学後は、高知城歴史博物館へ立ち寄ろう!
高知の歴史と文化を紹介する新拠点
高知城の追手門前に建つ博物館。土佐藩主・山内家に伝来する約6万7000点もの歴史資料や美術工芸品を収蔵・展示しています。希少な実物資料をはじめ、高知の歴史と文化を楽しく学べる仕掛けがたくさん。年間を通じて、多彩な企画展も開催されています。
館内MAP ※拡大できます
必見ポイントはここ
<必見ポイント1> フォトジェニックな建築
歴史や伝統を踏まえ、近代的なイメージを併せもつ建物は、どこを切り取っても絵になる景観ばかり。土佐漆喰の柱、県産材の檜や土佐打刃物の装飾を施した壁、和室には土佐和紙を使った天井など、高知の伝統工芸で彩られた空間美に圧倒されます。
<必見ポイント2> 貴重な文化財の数々
導入展示室と3つの展示室で構成され、各室2か月ごとに展示品の入れ替えが行われます。そのほとんどが「本物」で、初公開となる貴重な資料も!音声ガイド案内は、日本語をはじめとした5か国語と土佐弁による解説まで幅広く対応しています。
各階の立ち寄りスポット
【1階】ミュージアムショップ
収蔵資料をモチーフにしたオリジナルグッズはハガキや一筆箋など多数。高知みやげもそろいます。
【2階】珈琲館イストワール
高知城を眺めながら休憩できる喫茶室。坂本龍馬の顔が描かれたウインナーコーヒーは600円。
【3階】体験コーナー
ど派手な陣羽織や奇抜な兜などが、ずらりと並びます。実際に身に着け、武将気分で記念撮影を楽しみましょう。
【3階】 高知城展望ロビー
天守と追手門、初代藩主の山内一豊の銅像までを一望できるビュースポット。四国八十八景のひとつ。
高知県立高知城歴史博物館
- 住所
- 高知県高知市追手筋2丁目7-5
- 交通
- JR高知駅からとさでん交通桟橋線桟橋通5丁目行きで5分、はりまや橋でとさでん交通伊野線伊野方面行きに乗り換えて4分、高知城前下車、徒歩3分
- 営業期間
- 通年
- 営業時間
- 9:00~18:00、日曜は8:00~
- 休業日
- 無休
- 料金
- 入館料=大人500円、高知城セット券付740円、高校生以下無料/企画展=大人700円、高知城セット券付900円、高校生以下無料/(団体20名以上は常設展400円、企画展開催期間中560円)
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